(2)環境教育

〜環境学の確立と
環境教育学ガイドラインの作成〜

 現在、日本の環境教育は、変革の時期にある。「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」(2003年)が制定され、その「基本方針」(2004年)が出された。これによって、教育、行政、NGO/NPOs、大学等の研究機関企業等のパートナーシップが推進されている。また、世界に目を向けると持続可能な開発に関するヨハネスブルグ・サミットで「持続可能な開発のための教育の10年」が国連総会で採択され、2005年から世界的なキャンペーン活動が展開されることになった。多くの教育場面で環境教育が要請されている今日こそ、方向づけのないままに表面的な活動に終わってしまわないように、ガイドラインを示唆する「環境学」および「環境教育学」の確立が求められている。
 本研究所では、「生命(いのち)の教育」、「持続可能な未来のための教育」、そして環境保全活動と環境教育推進をも視野に入れた「実験学校」としての研究を行なっている。すでに平成13年度〜15年度、文部科学省の研究開発校指定によって甲南幼稚園・小学校・中学校・高等学校、甲南女子中学校・高等学校・女子大学が連携して、環境教育による18年間一貫教育が実施され、大きな成果をあげた。現在では、兵庫県下の公立高校(六甲アイランド高校、県立尼崎北高校)とも高大連携が平成16年度から始まっている。
 また、環境教育推進法を地域へ展開するために、兵庫県・大阪府の環境教育検討委員会に対して、政策提言を行なった。

不耕起農法による田植え(2005年6月)
(於:国営明石海峡公園)
収穫祭(もちつき)
2005年2月(於:甲南大学)