2003年度 教職科目
総合演習@「環境教育の研究」/総合演習A「環境倫理の教育」

講 義 レ ポ ー ト

2003年度/後期・土曜3・4限
フィールドワークの感想
フィールドワークT「芋掘り」[総合演習@、A合同](2003年9月27日[土])
総合演習@ 環境教育の研究
文学部 社会学科 I.I.
イモを掘る、はじめとても簡単で単純なことだとおもって、取り組んだ。土をいじることすらほとんどなくとても新鮮にも感じていたのだが、作業をするにあたり意外な発見が多かったのに驚いた。例えば、肥やした土の臭い。鼻をつんざくような臭いがするのかと思っていたのだが、全くといっていいほど無臭であったこと。イモを焼くのに新聞紙を先に巻いてからアルミを巻くと良いこと。イモの茎の部分も食べられるということ等など。特に何より意外だったのが道具の使い方だ。鍬を持ち上げて下ろす、そして引き上げる。単純な作業ですぐできると踏んでいたのだが、なかなか難しく皆で四苦八苦。実際にやってみないと分からないものだなぁ、頭でわかっていても難しいものだなぁと感じた。また、道具を使うときの危険性も知っていることは大切だと思った。自分が教える側に立った際に、知っておくことで、未然に怪我を防ぎ、危険度を下げることができる。講義のほうで「知識と知恵の問題」が言われていたが、実際に物事に取り組んでいくことで知識を知恵にかえて行けると感じた。実際取り組む際に感じたこと、例えば今回の鍬を使う難しさを、ではどうすればスムーズにできるのかを考え実際に身をもってその違いを感じながらやってみることで、次にするときへの自信や心配り、知識が根っこのあるものへなっていけるように思う。
 総合的な学習の時間には、教師の力量が大きく関わってくることになる。私が実習にいった中学での総合的学習の時間は、生徒が少なからず受身的であり学習の色が強く感じた。自分がするなら、やはり教室からはなれ、生徒自ら歩み出すものにしたいと思う。でも今の自分ではそれをする力はまだ全然足りていない。生徒を主体とすることで特に臨機応変な対応も求められると思うが、自分自身が慌ててしまって対応しきれないだろうと思う。だからこそ幅広く体験し、経験を積み成長して行きたいと思う。環境は生きていくうえで私達に密接なかかわりをもつ。今問題視されている環境問題をはじめとし、生きることを実践を通して身をもって考えて行けると思う。
 最後になったが、外で食べた焼きイモがとってもおいしかったこと、一緒に作業をすることで仲良く助け合いながら進められたのしかったという感想を書いておきたい。こういう良さも実際にやる醍醐味だと思った。
総合演習A 環境倫理の教育
経営学部 T.I.
生まれてはじめての芋掘りを体験した。凄く新鮮な気持ちで素直に楽しめた。やはり、体を動かし、みんなで1つのことをするのは、いいことだなと改めて実感できた。
 私は今回の収穫にしか参加していないため、そのプロセスを十分に理解しているわけではないが、先生のお話を聞く限り、この自然の中での環境学習に現代の子供たちに効果的な要素が多いことに気がついた。
 普段、テレビゲームやインターネットなどによって、バーチャルな世界に依存しがちな子供たち。彼らにとって、馬糞を利用した肥料で育てた芋を、鍬の使い方を教わりながら収穫し、みんなで焼いておいしく食べるといった一連のプロセスは総合的な学習にふさわしいように思えた。
 実際、私も鍬を使い、作業するときに、なかなかコツがつかめずに苦労した。しかし、先生に教えてもらうと、無駄な力もいれず楽に出きるようになったのだ。こういったところから、コミュニケーションも生まれる。教師の視点から見ても、生徒の信頼を得る絶好の機会だと感じた。
 このように多くの利点を含み、体験と成果が得られる環境学習の授業を受けたことで、これからの授業にも大きな期待と楽しみを持つことができた。
フィールドワークU「稲刈り」[総合演習@、A合同](2003年10月11日[土])
総合演習@ 環境教育の研究
文学部 社会学科 J.A.

今日は「環境とは」様々な「環境問題」についての講義をうけた後、稲刈りをした。
 田植えは、小学校高学年の頃、学校の近くのたんぼでやったことがあったが、稲刈りを鎌を使って行うというのは初めての体験だった。
以前テレビ番組で、出演者が手作業の稲刈りをするという企画があり、それを見ていたので、自分の頭の中には 稲刈りのイメージはできていた。しかし、実際に畑に入ってやってみると、想像以上にくたびれた。田は土がぬかるんでいて足をとられそうになったりコオロギ、カマキリ、バッタ、蛙、鼠、蚊や見たこともない、名前も知らない虫などが、わさわさとでてきて、極度の虫嫌いのわたしにとって、本当に辛かったが、稲刈りに必死になる中で、そんなことはもうどうでもよくなってきた。ようするに「慣れて」しまったのだ。そうなれば気が楽になったし、こんな虫もいるんやぁ〜と楽しくなってきた。
 鎌を手にもち、左手で稲をつかみ、ザクッザクッと刈っていく中でテンポ感をとり、用量良く作業を行うのは、とても楽しかった。稲を刈るときの感触はなかなか面白いものだった。
 自分自身で田植えをしていないし、その後のさまざまな手入れもしていなかったが、やはり出来上がった稲を収穫する喜びをひしひしと感じることができた。
 はじめから参加していたらその思いはもっと強いものになるだろう。刈った稲をわらで束ねて、干していく作業は、はじめは少してこずったけれど、だんだん慣れていった。
 機械も農業技術も発達していなかった当時、これほどの作業がどれほど大変だったか、想像するだけで、気が遠くなりそうだ。一家全員だけでなく、地域のコミュニティー全体が一丸となって、作業を行っていたのだろう。今回は大学生数十人での作業だったが、当時は小さな子供も一緒になって、一生懸命働いたと思うと、今の子供たちは体験していないことが本当にたくさんあるのだなと感じる。
最後に干した稲を眺めていて、先生が「全体としての美しさ」についておっしゃっていたが、そういえば、田畑は春夏秋冬いつ見ても、整然としていて、風景にとけこむ美しさを描き出している。そういった風景を見ることができるのは自然の力だけが働いているのではない。人の手が加わり、全体としての美しさ、季節を表している。仕事を手際よく、効率よくこなしていくなかで、人が様々な創意工夫をして、日本独特の四季の風景をつくりあげてきたのだと思う。
 今回は、稲刈りを通じて、昔の人々の苦労や、工夫をこらしてきた過程などを実感することができた。

記録:文学部 社会学科 S.N.

稲穂1本あたりの籾数

 

稲穂A

稲穂B

稲穂C

稲穂D

稲穂E

平 均

中身が入っている

89

111

107

83

101

98.2

中身が入っていない

15

15

32

26

10

19.6

合  計

104

126

139

109

111

117.8


総合演習A 環境倫理の教育
経営学部 T.I.

移動中のバスの中で教科書にそって環境教育の講義を聞いた。バスの揺れが激しい中で、メモをとっていると車酔いをしてしまい、とても苦しかった。しかし、先生は後ろを向いて話していても、平気な様子だった。しかも、まわりの状況を判断して、気配りがよくできていた。教える立場に立つならば、これくらいの余裕が必要なんだなと感じた。これからは、酔い止めを飲むなど、事前準備をしてできる限りの心がまえを持っていきたい。
 今日の自然学習は稲刈りで、これもまた芋掘りと同様に、私にとって生まれてはじめての体験であった。稲を狩り、適量でまとめて縛り、日干しするために木と竹で作った土台につるすという一連の作業を体験した。やはり、それぞれにコツがあり、貴重な経験をつめたと思う。
 作業を一通り経験すると、それぞれ得意な作業を分担して、効率よく行うようになった。このようなことを通して、生徒に人間の知恵の原点を教えることができるなと感じた。
 作業の途中、狩った稲をつるした土台が重みでくずれたり、土台の数が足りない事態が起こった。その時、まわりにいたみんながすぐに行動して、修正を行えた。このことも、生きるうえでの信頼関係の大切さを実感するのにとても良い体験だと思った。予想もしないハプニングも、1つの教材として、冷静に判断し、利用する力も必要だなと感じた。



フィールドワークV「脱穀」[総合演習@、A合同](2003年10月25日[土])
総合演習@ 環境教育の研究
文学部 日本語日本文学科 M.K

きょうは脱穀だ。田んぼについてびっくりした。高校の日本史の資料集で見た覚えのあるものと似たような道具が3つででんと置いてあったから。確か千歯扱と千石どおしだったかな。機械と呼べるほど機械らしくはなかった。ずいぶん昔のものという気がした。でも使ってみたらこれがちゃんと稲から米をとってくれる。何だか感動した。千歯扱みたいなのは、足を踏むタイミングと稲を挿し入れるタイミングが難しく、最初は2人で組んでやっていた。つまらせたりしながらも、そのうちコツをつかむことができ、一人でもできるようになった。勢いをつけてひたすら踏みながら、稲の束が全部吸いこまれないように気をつけて米の取り残しがないように稲を回しながら挿し入れていく。ざっざっという音が気持ちよく聞こえた。前回の稲刈りの際、キレイに束ねた方がいいということを脱穀して改めて感じた。端がばらばらだと根元の米まではきれいにとれない。体験というのは本当に大事だ。この道具で稲から米をある程度とったあと、もうひとつの道具でよりきれいに選別していく。手で回すというもので、下からよりきれいな状態になった米がでてくるのを見るとへえーと感心してしまった。二人組になりざるのようなものをふりわけて選別していく方法も体験した。米をとった後の稲を見ると、割と奥の方にまだ米が残っていたりする。かたまって残っている部分を指でぴーっとしてとるのはなかなか面白かった。ちょっと宝探しみたい。わたしは稲を植える作業は参加していないけど、みんなで協力して世話をし育て刈った稲だから、できるだけついてる米はとりたいと思った。よく見ると、それぞれの穂についている米の大きさが異なっている。大きくぷくぷくしたのもあれば、小さくてしぼんでいるのもある。少し離れた場所で、機械を使っての脱穀もしていた。稲の束をびゅっと通せは機械が米を選別してくれる。便利だなあ。横のふたが閉まらなくて時折米が流れ落ちてしまうのにはもったいなく感じたけど。
 町の広報で、小学生たちが学校の行事で稲刈り・脱穀を経験した様子を目にした。彼らは機械を用いて稲刈り・脱穀をしたようだ。私たちは今回、手作業でこれらを行った。そこには大きな充実感を感じ取ることができる。ちょっとしんどかったけど、とても貴重な体験だった。米は日本人にとってなくてはならないもの。母は昔よく「お茶碗にお米の粒残さないように食べよ。」と言っていた。米のありがたさをずっしり感じた一日だった。脱穀が終わって建物へもどる際に見た夕日が忘れられない。太陽はオレンジ色でまんまるですっごくきれいだった。見事な秋の空だった。心が和むなあ。疲れも吹き飛んでしまうくらい。脱穀をがんばったので、空からの御褒美をもらったような気がした。

総合演習A 環境倫理の教育
経済学部 T.T.
今回は、前回刈った稲から米を取る作業、脱穀を昔ながらの機械を使い行った。あんな機会で昔は脱穀をしていたことを知り、非常に驚いた。脱穀をしたあと、米と稲を分けた。このときには、風を送り稲を飛ばすような工夫がされた機械を使った。
 脱穀をする機械は、足踏み式のミシンのようなものだった。ドラムが反対方向に回るときもあり、コツをつかむまでに時間がかかった。また、稲を長い時間脱穀していると、米だけでなく稲もたくさん入ってしまうので、短い時間で米を取る必要があった。さらに、稲をしっかり持っていないとドラムの中に巻き込まれ、作業が中断することもあるので、注意が必要だった。米と稲を分ける機械は、少し故障していたようだった。
 あれほどの昔の機械を見るのは初めてだった。さらに、脱穀という珍しい作業ができ、有意義な時間を過ごすことができた。子どもたちが、楽しんで日本の伝統的な作業を体験することができるように、地域住民と連携を密にしていく必要を感じた。


 フィールドワークW「収穫祭」[総合演習@、A合同](2003年12月20日[土])
総合演習@ 環境教育の研究
文学部 社会学科 S.N
今日は、これまでのフィールドワークで稲を刈り脱穀をした米で餅つきをしました。本来なら餅つきは屋外でおこないますが、今日はとても寒く広野の環境教育野外施設の周辺では雪が降っていたためか、室内にも臼が用意されました。わたしは運良くあたたかい室内に用意された臼で初めての餅つきに挑戦しました。小さいほうの杵は思っていたほど重くはありませんでしたが、ぐらぐらしてあまり安定しません。それでも握った右手を前のほうに伸ばしてみると、なんとか振り下ろせるようになりました。しかし、餅をこねる人の手に気を取られてなかなか思いきりつくことができません。そのうち杵に餅がくっついてしまいました。餅をやっとのことで取ってからは、杵にときどき水をつけながらつきました。すると水分が多くなりすぎたようで今度はもちがべちゃっとしてきました。院生の方に代わってもらうと餅はまたもとのように復活したので安心しましたが、どうやら餅つきにはリズム感というか、ある程度の勢いが必要なようです。さて、つぎはついた餅を適度な大きさに丸める作業です。はじめは餅が手についてしまい上手くできませんでしたが、だんだんと手につける粉の量や力加減などがわかってきて、コツをつかむと速くきれいにできるようになりました。また、慣れてくると中にあんこを入れる大福にも挑戦しました。途中であんこが出てしまわないかとひやひやしながらも、無事に包むことができてほっと胸をなでおろしました。餅を丸めながら味見もしました。つきたての餅はまだあたたかくとてもやわらかくて、普段食べる餅とは違う食べ物のように感じました。きなこや大根おろしをつけなくてもそのままで食べられるくらいおいしかったです。そのせいか、つい食べ過ぎてしまいました。お腹が満たされてから再び餅つきにチャレンジし、今度は手を入れる役もやりました。杵に比べれば簡単だろうとあまく見ていましたが、ねばる餅をすばやくつかんで返すのは至難の業です。思い描いていたようなリズミカルな餅つきとはほど遠く、手にべったりとついた餅を取るのに必死でした。バスの時間の都合上、片付けをせずに帰ったことが少し気がかりではありますが、楽しくおいしい体験ができて本当によかったです。
 今日でフィールドワークはすべて終了となりましたが、今回の餅つきは稲刈りと脱穀という形で自分たちが生産に参加した米を使ったこともあり、なにかこれまでの集大成といった感がありました。また、つくった餅を実際に食べることで、わたしたち人間はこういった食物によって日々生かされているのだということを改めて感じました。今後、教育者という立場で環境教育をおこなうとして、土に親しむといった活動を取り入れる際には、ぜひ今回のように最後に皆で食することのできるものを取り上げたいと思います。なぜなら、そうすることで児童または生徒が食物の大切さやありがたさ、本当のおいしさを実感でき、さらにそれは環境を思いやったり、よくしようとしたりする関心や意欲にもつながるからです。
総合演習A 環境倫理の教育
経営学部 T.N.

12月20日に広野において、もちつきが行われた。稲刈り、脱穀を体験した後でのこの体験は「収穫祭」として今回の講義のメインイベントであった。当日は雪も激しく降り、広野は非常に寒かった。しかしその結果として、この講義の始まりから終わりである秋から冬にかけての環境の変化を肌で感じることができた。
 季節を感じることが最近の生活ではむづかしくなっている。特に都会での生活ではなおさらである。野菜はスーパーに行けば年中なんでも揃っているし、動物も日々の生活の中ではテレビの中の存在になってしまっている。部屋もいつもエアコンで一定に保たれている。
 しかしそれでは人間として何か足りないのではないかと感じる。当たり前のことを知らない、できない人間になってしまうのではないかと思う。
 その意味で今回の稲刈りからもちつきまでのフィールドワークの流れは、自分にとって、もう一度環境を考えるきっかけにもなり、環境の変化を短い期間ではあったが感じることができ、非常に意味のあるものであった。
 環境の変化は、フィールドでの自然体験がないと感じることができない。もちろんその体験をより深く、意義のあるものにするために教室での学術的な論理や思考を学ぶことが大切である。今回の講義でそれが分かった。
 日本という四季の変化がとても激しく、季節ごとに違った表情を見せる国に生まれた私たちは今、その変化を肌で感じることもなく、あまりにも無頓着である。その結果として環境破壊や環境ホルモンの問題がどんどん深刻になっている。自分たちの自然化環境をしっかり理解し、感じることができた時に始めて問題の解決に一歩前進できると思う。
 その前進に貢献するのが環境教育であると感じる。教師としては、その評価は数値化できず、単一評価できないので、簡単なことではない。しかし、自然体験や原体験から、人にとっての絶対的な価値が生まれてくると思う。今後の教育で必ず重要になる環境教育を今回学べたことは自分自身にとって非常に意味のあるもので、今後の人生についても考える良いきっかけになったと感じる。



総合演習@「環境教育の研究」/総合演習A「環境倫理の教育」の成果(I)
課題:旧指導要領(平成元年度)にしたがった「環境教育指導資料」(文部省)を、新指導要領(平成10年度)に合わせた形で資料作成しなさい。
新中学校学習指導要領と環境教育との関わり(案)
 文学部 社会学科 F.Y.

〔地理的分野〕

1 目 標
(2)   日本や世界の地域の諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ,それを地域の規模に応じて環境条件や人間の営みなどと関連付けて考察し,地域的特色をとらえるための視点や方法を身に付けさせる。

2 内 容
(2)  地域の規模に応じた調査
ア  身近な地域
  身近な地域における諸事象を取り上げ,観察や調査などの活動を行い,生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めさせるとともに,市町村規模の地域的特色をとらえる視点や方法,地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身に付けさせる。

(3)   世界と比べて見た日本
(ア)自然環境から見た日本の地域的特色
 世界的視野から見て,日本は環太平洋造山帯に属し大地の動きが活発であること,温帯の島国,山国で降水量が多く,緑におおわれた国であること,自然災害が発生しやすく防災対策が大切であることといった特色を理解させるとともに,国内では地形,気候などにおいて地域差がみられることを大観させる。

(ウ)資源や産業から見た日本の地域的特色
 世界的視野から見て,日本はエネルギー資源や鉱物資源に恵まれていない国であること,土地が高度に利用されていること,産業の盛んな国であることといった特色を理解させるとともに,国内では地域の環境条件を生かした多様な産業地域がみられること,環境やエネルギーに関する課題などを抱えていることを大観させる。

(エ) 生活・文化から見た日本の地域的特色
 世界的視野から見て,日本においては比較的ものの豊かな中で人々が暮らしていること,また,近代化や国際化の進展などにより伝統的な生活・文化は変容していること,外国から入ってきた生活・文化は日本の環境条件に対応させて取り入れてきたことといった特色を理解させるとともに,国内では生活・文化の地域による差異が次第になくなりつつあるが,一方で各地に特色ある生活・文化がみられることを大観させる。

3 内容の取扱い
(2) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。
ア 地埋的な見方や考え方及び地図の読図や作図,景観写真の読み取りなど地理的技能を身に付けることができるよう系統性に留意して計画的に指導すること。また,地域に関する情報の収集,処理に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するなどの工夫をすること。
ウ 地域的特色を追究する過程で生物や地学的な事象などを取り上げる際には,地域的特色をとらえる上で必要な範囲にとどめること。
(5)内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
エ アの(ア)〜(オ)及びイの取扱いに当たっては,計画的に指導し,地域的特色を地域の規模や地域間の比較によってとらえる方法を効果的に身に付けることができるようにすること。


〔歴史的分野〕
1 目 標
(3) 歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ,我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深くかかわっていることを考えさせるとともに,他民族の文化,生活などに関心をもたせ,国際協調の精神を養う。
(4) 身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味や関心を高め,様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。


2 内 容

(4)   近現代の日本と世界
イ 明治維新の経緯のあらましを理解させ,新政府の諸改革により近代国家の基礎が整えられたことに気付かせるとともに,人々の生活の大きな変化について考えさせる。
エ 政府の富国強兵・殖産興業政策の下で進展した我が国の近代産業が産業革命を経て発展したことと,その中での国民生活の変化について理解させる。また,この時期に近代文化が形成され,都市を中心に文化の大衆化が進んだことに気付かせる。
カ 昭和初期から第二次世界大戦の終結までの我が国の政治・外交の動き,中国などアジア諸国との関係,欧米諸国の動きに着目させて,経済の混乱と社会問題の発生,軍部の台頭から戦争までの経過を理解させるとともに,戦時下の国民の生活に着目させる。また,大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させる。
キ 第二次世界大戦後,国際社会に復帰するまでの我が国の民主化と再建の過程や国際社会への参加について,世界の動きと関連させて理解させる。
ク 高度経済成長以降の我が国の動きを世界の動きと関連させてとらえさせ,経済や科学技術の急速な発展とそれに伴う国民の生活の向上や国際社会において我が国の役割が大きくなってきたことについて気付かせる。

3 内容の取扱い
エ エの「産業,交通などが発達」したことについては,身近な地域の特色を生かして学習することを中心にし,網羅的な取扱いにならないようにすること。また,「町人文化」については,代表的な事例を取り上げて特色を考えさせるようにし,網羅的な取扱いにならないようにすること。「地方の生活文化」については,身近な地域の事例を取り上げるよう配慮すること。

オ オの「社会の変動」については,商業の発達,百姓一揆などを農村の変化との関連で取り扱うが,高度な内容や細かな史実に深入りしないようにすること。「欧米諸国の接近」については,国内の対応を扱うにとどめること。「幕府の政治改革と政治の行き詰まり」については,代表的な事例を通して指導するようにすること。
(5)   内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。
エ エの「産業革命」については,都市や農山漁村の生活に大きな変化が生じたことに気付かせるようにすること。また,「近代文化」については,学問,教育,科学技術,芸術などの発展を扱い,その進歩が著しかったことや伝統的な文化の上に欧米文化を受容して形成されたものであることを,代表的な事例を取り上げて気付かせるようにし,網羅的な取扱いにならないようにすること。
カ  カについては,世界の動きと我が国との関連を重点的にとらえさせるとともに,国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに気付かせるようにすること。


〔公民的分野〕

1 目 標
(2)   民主政治の意義,国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代の社会生活などについて,個人と社会とのかかわりを中心に理解を深めるとともに,社会の諸問題に着目させ,自ら考えようとする態度を育てる。

2 内 容
(2)   国民生活と経済
イ  国民生活と福祉
  国民生活と福祉の向上を図るために,国や地方公共団体が果たしている経済的な役割について考えさせる。その際,社会資本の整備,公害の防止など環境の保全,社会保障の充実,消費者の保護,租税の意義と役割及び国民の納税の義務について理解させるとともに,限られた財源の配分という観点から財政について考えさせる。


(3)   現代の民主政治とこれからの社会
ウ  世界平和と人類の福祉の増大
  世界平和の実現と人類の福祉の増大のためには,国家間の相互の主権の尊重と協力,各国民の相互理解と協力が大切であることを認識させる。その際,日本国憲法の平和主義について理解を深め,我が国の安全と防衛の問題について考えさせるとともに,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てる。また,人類の福祉の増大を図り,よりよい社会を築いていくために解決すべき課題として,地球環境,資源・エネルギー問題などについて考えさせる。


3 内容の取扱い
(2)   内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。
(イ)  調査や討論など多様な学習活動を取り入れたり,適切な課題を設けて行う学習を取り入れるなどの工夫を行うこと。例えば,日本経済の発展に伴う国民生活の向上,貿易を通しての日本と世界の結び付きの変化,国際社会における日本の役割の変化等の課題を設け,世界との関係を踏まえ,過去と現在との比較を通して追究させるなど,地理的分野,歴史的分野の学習の成果を生かすようにすること。
(3)   内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。
ウ  ウについては,次のとおり取り扱うものとすること。
(エ)  「地球環境,資源・エネルギー問題」については,適切な課題を設けて行う学習を取り入れるなどの工夫を行い,国際的な協力や協調の必要性に着目させるとともに,身近な地域の生活との関連性を重視し,世界的な視野と地域的な視点に立って追究させる工夫を行うこと。


[社会]
指導計画の作成と内容の取扱い
2  指導の全般にわたって,資料を選択し活用する学習活動を重視するとともに作業的,体験的な学習の充実を図るようにする。その際,地図や年表を読みかつ作成すること,新聞,読み物,統計その他の資料に平素から親しみ適切に活用すること,観察や調査などの過程と結果を整理し報告書にまとめ,発表することなどの活動を取り入れるようにする。また,資料の収集,処理や発表などに当たっては,コンピュータや情報通信ネットワーク,教育機器の活用を促すようにする。
3  選択教科としての「社会」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,見学・調査,課題学習,自由研究的な学習,作業的,体験的な学習,補充的な学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。


「目標」「内容」「内容の取扱い」に見られる環境教育との関わり

教科等

目標

内容

内容の取扱い

指導計画の作成と内容の取扱い

環境関連項目

社会

 

 

 

 

2 指導の全般にわたって,資料を選択し活用する学習活動を重視するとともに作業的,体験的な学習の充実を図るようにする。その際,地図や年表を読みかつ作成すること,新聞,読み物,統計その他の資料に平素から親しみ適切に活用すること,観察や調査などの過程と結果を整理し報告書にまとめ,発表することなどの活動を取り入れるようにする。また,資料の収集,処理や発表などに当たっては,コンピュータや情報通信ネットワーク,教育機器の活用を促すようにする。

3 選択教科としての「社会」においては,生徒の特性等に応じ多様な学習活動が展開できるよう,第2の内容その他の内容で各学校が定めるものについて,見学・調査,課題学習,自由研究的な学習,作業的,体験的な学習,補充的な学習,発展的な学習などの学習活動を各学校において適切に工夫して取り扱うものとする。

・環境教育にかかわる能力や態度

・ITの積極的な活用

・体験学習重視

〔地理的分野〕

(2) 日本や世界の地域の諸事象を位置や空間的な広がりとのかかわりでとらえ,それを地域の規模に応じて環境条件や人間の営みなどと関連付けて考察し,地域的特色をとらえるための視点や方法を身に付けさせる。

 

(2) 地域の規模に応じた調査

ア 身近な地域
 身近な地域における諸事象を取り上げ,観察や調査などの活動を行い,生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めさせるとともに,市町村規模の地域的特色をとらえる視点や方法,地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身に付けさせる。

 

 

 

 

(3) 世界と比べて見た日本

ア 様々な面からとらえた日本
(ア) 自然環境から見た日本の地域的特色
 世界的視野から見て,日本は環太平洋造山帯に属し大地の動きが活発であること,温帯の島国,山国で降水量が多く,緑におおわれた国であること,自然災害が発生しやすく防災対策が大切であることといった特色を理解させるとともに,国内では地形,気候などにおいて地域差がみられることを大観させる。

(ウ) 資源や産業から見た日本の地域的特色
 世界的視野から見て,日本はエネルギー資源や鉱物資源に恵まれていない国であること,土地が高度に利用されていること,産業の盛んな国であることといった特色を理解させるとともに,国内では地域の環境条件を生かした多様な産業地域がみられること,環境やエネルギーに関する課題などを抱えていることを大観させる。

(エ) 生活・文化から見た日本の地域的特色
 世界的視野から見て,日本においては比較的ものの豊かな中で人々が暮らしていること,また,近代化や国際化の進展などにより伝統的な生活・文化は変容していること,外国から入ってきた生活・文化は日本の環境条件に対応させて取り入れてきたことといった特色を理解させるとともに,国内では生活・文化の地域による差異が次第になくなりつつあるが,一方で各地に特色ある生活・文化がみられることを大観させる。
 

(2) 内容の取扱いについては,次の事項に配慮するものとする。

ア 地埋的な見方や考え方及び地図の読図や作図,景観写真の読み取りなど地理的技能を身に付けることができるよう系統性に留意して計画的に指導すること。また,地域に関する情報の収集,処理に当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用するなどの工夫をすること。

ウ 地域的特色を追究する過程で生物や地学的な事象などを取り上げる際には,地域的特色をとらえる上で必要な範囲にとどめること。

(5) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。

エ アの(ア)〜(オ)及びイの取扱いに当たっては,計画的に指導し,地域的特色を地域の規模や地域間の比較によってとらえる方法を効果的に身に付けることができるようにすること。

 

 

・土地に対する理解、関心

・自然的条件の地域差

・日本の自然環境

・産業の発展

・土地利用

・環境やエネルギーへの課題

・エネルギー資源及び鉱物資源に乏しい

・近代化、国際化による生活、文化の変容

・環境条件に対応させ外国文化を摂取

・生活、文化の地域差解消

・特色ある文化の残存

 

〔歴史的分野〕

(3) 歴史に見られる国際関係や文化交流のあらましを理解させ,我が国と諸外国の歴史や文化が相互に深くかかわっていることを考えさせるとともに,他民族の文化,生活などに関心をもたせ,国際協調の精神を養う。

 

(4) 身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味や関心を高め,様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察し公正に判断するとともに適切に表現する能力と態度を育てる。

 

(5) 近現代の日本と世界


エ 政府の富国強兵・殖産興業政策の下で進展した我が国の近代産業が産業革命を経て発展したことと,その中での国民生活の変化について理解させる。また,この時期に近代文化が形成され,都市を中心に文化の大衆化が進んだことに気付かせる。

 

 

カ 昭和初期から第二次世界大戦の終結までの我が国の政治・外交の動き,中国などアジア諸国との関係,欧米諸国の動きに着目させて,経済の混乱と社会問題の発生,軍部の台頭から戦争までの経過を理解させるとともに,戦時下の国民の生活に着目させる。また,大戦が人類全体に惨禍を及ぼしたことを理解させる。
キ 第二次世界大戦後,国際社会に復帰するまでの我が国の民主化と再建の過程や国際社会への参加について,世界の動きと関連させて理解させる。

ク 高度経済成長以降の我が国の動きを世界の動きと関連させてとらえさせ,経済や科学技術の急速な発展とそれに伴う国民の生活の向上や国際社会において我が国の役割が大きくなってきたことについて気付かせる。
 

(2) 内容の(5)については,次のとおり取り扱うものとする。

エ エの「産業革命」については,都市や農山漁村の生活に大きな変化が生じたことに気付かせるようにすること。また,「近代文化」については,学問,教育,科学技術,芸術などの発展を扱い,その進歩が著しかったことや伝統的な文化の上に欧米文化を受容して形成されたものであることを,代表的な事例を取り上げて気付かせるようにし,網羅的な取扱いにならないようにすること。

カ カについては,世界の動きと我が国との関連を重点的にとらえさせるとともに,国際協調と国際平和の実現に努めることが大切であることに気付かせるようにすること。

 

 

・近代産業の発展

・産業革命に伴なう国民生活の変化

・文化の大衆化

・戦時下の国民生活

・アジア諸国との関係

・社会問題の発生

・大戦の人類への影響

・国の民主化

・国際社会への参加

・高度経済成長以降の日本

・国際社会での役割認識

・経済や科学技術の発展に伴なう国民生活の向上

 

〔公民的分野〕

(2) 民主政治の意義,国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代の社会生活などについて,個人と社会とのかかわりを中心に理解を深めるとともに,社会の諸問題に着目させ,自ら考えようとする態度を育てる。

 

(2) 国民生活と経済

イ 国民生活と福祉
 国民生活と福祉の向上を図るために,国や地方公共団体が果たしている経済的な役割について考えさせる。その際,社会資本の整備,公害の防止など環境の保全,社会保障の充実,消費者の保護,租税の意義と役割及び国民の納税の義務について理解させるとともに,限られた財源の配分という観点から財政について考えさせる。

 


(3) 現代の民主政治とこれからの社会

ウ 世界平和と人類の福祉の増大
 世界平和の実現と人類の福祉の増大のためには,国家間の相互の主権の尊重と協力,各国民の相互理解と協力が大切であることを認識させる。その際,日本国憲法の平和主義について理解を深め,我が国の安全と防衛の問題について考えさせるとともに,核兵器の脅威に着目させ,戦争を防止し,世界平和を確立するための熱意と協力の態度を育てる。また,人類の福祉の増大を図り,よりよい社会を築いていくために解決すべき課題として,地球環境,資源・エネルギー問題などについて考えさせる。
 

(2) 内容の(1)については,次のとおり取り扱うものとする。

(イ) 調査や討論など多様な学習活動を取り入れたり,適切な課題を設けて行う学習を取り入れるなどの工夫を行うこと。例えば,日本経済の発展に伴う国民生活の向上,貿易を通しての日本と世界の結び付きの変化,国際社会における日本の役割の変化等の課題を設け,世界との関係を踏まえ,過去と現在との比較を通して追究させるなど,地理的分野,歴史的分野の学習の成果を生かすようにすること。

(4) 内容の(3)については,次のとおり取り扱うものとする。

ウ ウについては,次のとおり取り扱うものとすること。

(エ) 「地球環境,資源・エネルギー問題」については,適切な課題を設けて行う学習を取り入れるなどの工夫を行い,国際的な協力や協調の必要性に着目させるとともに,身近な地域の生活との関連性を重視し,世界的な視野と地域的な視点に立って追究させる工夫を行うこと。

 

 

・国民生活と福祉の向上

・資本の整備

・公害防止

・環境保全

・社会保障の充実

・消費者保護

・世界平和の実現

・人類の福祉の増大

・各国民の相互理解

・戦争防止

・核兵器の驚異を認識

 

総合演習@「環境教育の研究」/総合演習A「環境倫理の教育」の成果(II)

課題:この演習に参加した成果として、環境教育・指導計画を作成しなさい。
総合演習@ 環境教育の研究

 (a)環境教育・指導計画の作成

文学部日本語日本文学科 Y.Y.

1・指導者 

学部・学科 (日本語日本文)   学籍番号(       )  氏名(Y.Y.)

2・指導の対象とする校種、学年、教科等

校種

高等学校

学年 

1年

教科等*

総合的な学習の時間(国語、現代社会)

                  *道徳、特別指導、総合的な学習の時間を含む

 

3・主題(テーマ)

 

身近にある環境問題

 

 4・主題の設定理由


 「環境問題」が、近年増加している。
 そうは言うものの、実質的な自分の生活には関係ない。
 そう思っている人は多いのではないだろうか。私自身もそうだ。
 しかし、私たちの身の回りにはありとあらゆる環境問題を孕んだ現実が存在している。設定理由は、如何に私たちの周りにはそういったものが溢れているのかということを、実際に自分たちの目で見て体感することを覚えてもらうためだ。
 

  5・目標(ねらい)


 集団におけるコミュニケーションというものは、言語なくしてはなかなか成立しない。その言語は日本人である我々にとっては、日本語に他ならない。そういった意味では「見る」「聞く」「話す」といった行為は総て、広い視点で言えば国語に属するといっていいだろう。この授業は、身の回りの調査、発表という形を用いて、実践的な表現・伝達能力の育成を図りたいと思う。
 

 
6・指導内容の展開   時間数(総計8時間)

  以下のように仮定
  ・男女総数40人
  ・一週間に一度、二時間続きの授業と考え、一ヶ月間
  ・高校入学してまだ間もない時期に共同調査を行う事で、親密になるように努力する。


初回授業(1,2時限)

指導内容

学習活動

指導上の留意点

世の中の環境問題に関する基礎講座

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 
 

 グループ分け

   (班決め)

@「環境問題」と聞いて、まず連想するものを生徒に答えてもらう。
 アンケート形式で書いてもらうのも可

 

Aいくつか挙げてもらったものの中から連動出来る例を話す。
 その場合、実際に物を使ったりした説明などを行う。

 

B新聞記事や雑誌、インターネットからピックアップしたものをプリント化して配布。生徒に読んでもらう。

 

CVTRを通じて、「環境問題」に関する認識を深めてもらう。 
 ・フロンガスによる温暖化
 ・環境ホルモンによる弊害
 ・食物添加物、遺伝子組み換え食品の危険性
 ・ゴミ処理問題
 ・生活排水による海洋汚染                          etc…

 

D班に分かれてもらう
 ・40名なので男女混合6〜7名
 ・なるべく仲のようにならないようにする。
 ・調査における責任者として班長副班長を決める。

 
 

E班におけるテーマの選定
・なるべくなら他の班と重複しないようにしない内容の選定をさせたい。しかし、こちらから提示した内容を選択させるのもいいが、生徒の自主性を重んじて同じ内容を選択することも、もちろん可能だ。

ア・あくまでも生徒の現状における生の声を聞く。
「わかりません」でも可

 

イ・cfペッドボトルから作られるマイクロフリース

 



ウ・あまり専門的にならない、生徒が興味を引かれる内容が望ましい。

 

エ・NHKや民放の番組などの映像を用いて生徒に飽きさせない内容で、問題意識を感じてもらいたい。
20〜30分の視聴にする。

 

 

 

オ・集団での活動においては個々人の性格適性を図るとともに、コミュニケーションの基礎能力を培うのに最適である。まだ、入学して日の浅い高校一年生だからこそ、出来る事であると思う。


カ・集団での活動では、相手がどんな意見を持っているのかを聞き、尚且自分の意見を的確に述べるという相互理解を実践的に試すことができる。もし、選択制にした場合は、それぞれの方向性、指向を把握し、全く同じ形式にならないように、的確なアドバイスを目指す。何が良い所、悪い所かを見定め、「伸ばす」教育にしたい 


第二回および第三回授業(3、4、5、6時限)

指導内容

学習活動

指導上の留意点

テーマに合った調査の進行

 

 

 

 

 

 

 

 

 


学校外調査の実施

 

 

 

 

 

 

 

 


 

屋内作業

「身の回りにある再利用資源(リサイクル可能なもの)を探す」というテーマにした班を例にしてみると・・・

 

@どういったリサイクルがあるのかを、まずは班内で挙げてみる。
 ・ビン・缶の再利用
 ・ペットボトルの加工製品
 ・廃材から作られる割り箸
 ・雑誌などの再生紙から作られる

トイレットペーパー
 ・旧家屋などのリフォーム
 ・リサイクルショップ、

フリーマーケット
 ・家電リサイクル法
 ・スーパーの回収ボックス

 

A市街地に出て、身の回りにどのくらい、リサイクルという概念で括れる事物が存在するかを調査する。事前に何をみるか(商品への表示記載)などを決定しておけば、効率もいいだろう。

 

 

B何を調査するか事前に決めておいたもの(ペットボトルの消費量と廃棄場においての分別、路上での放置など)を各自がメモやノートに書き記す。何に対してどんなアプローチをするかは早めに決めておいたほうがいいだろう。

身近にあるリサイクルとして『ペットボトル』を挙げてみる。
 

Cペットボトルに関してのデータ資料作成
 ・原材は何で出来ているか
 ・その用途
 ・年間総消費量
 ・一人あたりの年間消費量
 ・それをすべてリサイクルするとどの程度の資源再利用が計れるか
 ・代表的再生工程に関して
 ・再生利用先には何があるか

 以上のことを、図表やグラフ、プリント、OHPなどを用いて発表する準備をする。

 

 

 

 ア・ここからは生徒主導(班活動)になるので、指導者は具体的な指示を出すのではなく、如何に生徒の好き勝手できる環境を用意できるかということに重きが置かれるようになる。生徒に考えながら学んでほしいために、郊外学習を選択する。学校外においてどれだけバックアップが出来るかが最重要である。可能なら、複数の教員で事前調査、禁止区域の設定、見回りを実施したい。

 

 

イ・屋外活動ということで、かなり危険を有するものなので、事前にきっちりと指導をし、班長には連絡係、班のまとめ役としても動いてもらう。携帯電話や公衆電話でのこまめな連絡もいいだろう。

 

ウ・同じものを見ていても、そこで感じたことは同じではない。小さな感想を付け加えたりすることや、「心の目でみる」「町と対話する」などとコピーを付ければ、調査の意味合いも変わるだろう。

 

 

オ・授業時間内で終わらない場合には、休み時間や放課後を利用して、ある程度体系立てた情報としての形での発表形式にはまとめるように指示する。しかし、干渉し過ぎるのは生徒の自発性を削いでしまいかねないので注意


第四回授業(7,8時限)

指導内容

学習活動

指導上の留意点

調査内容の発表

@生徒のよる、自分たちの調査内容の発表
 第二回から第三回まで、生徒が準備、調査に励んでいる間に、教師はその空いた時間を利用して、発表の題目リストを作成したり、生徒の求める要求に可能な限り手を貸し、助言を尽くす。(実務的なものでいえばコピー、プリンタの使用許可など)そういった体制をとることが必要。

 

A発表後、校外学習をしたことでどのように自分が考え思ったかを答えてもらう。また、それを俳句などの形にしてもらい、句を読み合えば、偽善的な「リサイクルは大事です、みんなもやりましょう。」等の画一的な感想に終わらず、国語内容の密度のあがる授業となるだろう。また、最初の授業で行ったアンケートをもう一度行い、調査前・調査後でいかに生徒の意識が変わったのかをはかる。または、それを数値化した結果を比較してもいい。

Bまとめ
 「自分の生活圏だけでも、いかに環境問題が溢れているか。」
 「授業を通じて感じた事、体感した事に、興味を失わないでほしい。」
 といった内容で環境教育・環境問題に対する意識を高めることが出来ればいい。

 

ア・1班につき、15分から20分程度が望ましい。

 

 

 

 
 

イ・時間がなければ紙に書いてもらってもいいが、他人の意見を聞く、自分の意見を話すということが授業内容の一環になっているので、それを無下にはできない。

 

 

 

ウ・授業冒頭の生の声が調査を通じてどのように変化したかをすこしあげてもらうのもよい。


7.評価の観点

 この授業は総合的な学習の時間としてはいるものの「現代社会」を主とした「国語」を複合化した内容である。しかし、「コミュニケーション教育」としているように、生徒間も協調の度合いも重要視したい。よって評価の観点は
 ・班内の相互評価
 ・発表の完成度
 ・感想(俳句)での評価
 ・問題行動の有無
 ・全体を通しての班でのまとまり
を評価の主として判断したい。


まとめ
  「国語」とは何だろうか。教育実習や教職課程において、そのことは僕の中でずっと疑問だった。結論からいえば、すべてが「国語」という括りの中に入れてしまえるということが、分かった事だろうか。言語なしに、今の僕達のような円滑な意思疎通は図れないだろう。「国語」とは「表現」であるとも言える。大学生活において、僕自身はそのことで何度も壁にぶつかった。いくら本をたくさん読んでいても、どれだけ知識があっても、会話(対話)する能力・・・ひいてはコミュニケーション能力が低くては満足に話も出来はしない。
 今の言い方にすれば「人間力」としてもいいかもしれない。今回の指導案では。「見る」「聞く」「話す」(「読む」も加えてもいいが、今回は割愛)という最もベーシックにして最重要な項目を、集団活動の中で調査という形で意識的に実施することを目的とした。
 発表という形で、最終的には他者(クラス・教師)に伝えることを最後に据えたが、内容の優劣以上にどれだけ班で話し合い、調べ、まとめ、発表に至ったかのプロセス自体にも評価の重きを置きたい。発表に関して言えば、「班員全員がうまく分担出来ていた」「内容が分かり易かった」という点こそを評価したい。他人に伝えるということを念頭においたものが、優れているものとしたい。何せ、コミュニケーションという名目を掲げているのだから。


(b)環境教育・指導計画の作成
科目等履修生 Y.K.

1.指導者

 学部・学科(科目等履修生)  学籍番号(         )  氏名(Y.K.)

2.指導の対象とする校種、学年、教科等

校種

高等学校

学年

1年

教科等※

総合(中心教科は政治・経済

※道徳、特別活動、総合的な学習の時間を含む

3.主題(テーマ)


経済の仕組みと環境―環境にやさしい経済について―
 

4.主題の設定理由


 現代社会において経済の発展に伴う環境への負荷は大きいといえる。そのため、今環境を配慮した経済活動が見直されている。
 そこで、高校公民科の目標にあるような「現代における政治、経済、国際関係などのついて客観的に理解させるとともにそれらに関する諸課題について主体的に考察させ、公正な判断力を養い、良識ある公民として必要な能力と態度を育てる」を基に上述のような経済活動(例えば、環境にやさしい商品の生産過程や環境グッズの販売と購入のシステム、値段の決め方など)を中心としたテーマを設定した。
 また、政治・経済のみでなく幅広く学習する必要があると考えられるので、他の教科との関連が持てるように総合的な学習の時間においてこのテーマを用いることにする。
 

5.目標(ねらい)


 身近な経済活動を中心として経済の仕組みと環境について考える。
 そして、自らが実際に模擬店を経営することによって、経済の仕組み(価格の決め方と経営の仕方など)を体験を通じて実感する。
 また、経済や社会の仕組み、環境についての事柄について、自主的に考え、調査し、課題を見つけ、主体的に行動する能力を育成する。
 


6.指導内容の展開  時間数( 30時間 )※土日・夏休みなどを利用する場合もある
  ※指導内容に体験的要素を入れること

指導内容

学習活動

指導上の留意点

課題設定のための話題提供
(6時間)

 

 

 

 

 

 



調べ学習のための学習
(2時間)

 

 


調べ学習
(6時間)





 統一した学習(4時間)

 

 

 



体験学習
(8時間)

 

 

 

 

 

 

プレゼンテーション
(4時間)

・授業者(教師など)が提示していく経済や環境についてのいくつかの話題から、興味や関心のある項目をいくつかあげる。
・いくつかにしぼった項目から課題となる(自分が探究しようとする)ものを見つける。
・自分の課題を各自提出し、その内容によりグルーピングする。

 

 



・調査の仕方を学ぶ(資料の見方など)。
・インタビューの方法を学ぶ。
・グループで調査ノート、インタビューノートなどをつくり、調査する内容を話し合う。
・模擬でインタビューの練習をしてみる。
・各グループに分かれて、インターネットやインタビュー、図書や資料などを用いて、グループの課題について探究していく。

 

・調査ごとに話し合いをもうけ、次にどのような方法を用いることで、課題(問題)の解決につながるかを考える。(これを繰り返していく)
・授業時間以外に土曜日、日曜日、夏休みなどにもインタビューなどの調べ学習をおこなう(グループによって)。



・体験学習のための知識や方法を身につける

 

 

 



・経済の仕組みや経済と環境のかかわりを理解するために、学園祭(文化祭)時期(10月〜11月)に模擬店を出店し、価格の変動や環境にやさしい経済、調理方法などはどのようなものかを体験する。(準備から販売まで)もし、学園祭でおこなうことが難しいのならば、校内での環境発表会などで体験をおこなう。

 

 

 


・プレゼンテーションをおこなう前に、プレゼンテーションの方法(口答発表、ポスターセッション、VTRなど)がいくつかあることを理解する。
・各プレゼンテーションのよいところと悪いところをあげてみる。
・各グループでどの方法を用いてプレゼンテーションをおこなうか話し合う。
・学年の最後に今までグループで行ってきた課題について、まとめてプレゼンテーションをおこなう。
・一度プレゼンテーションをしたら、そのプレゼンテーションのよかった点や悪かった点をクラスで話し合う。そして、プレゼンテーションの仕方を工夫し、よりよいものにしていく。
・最後に冊子を各グループで製作し、まとめにする。

・話題の提供は、生徒が自ら考えて、主体的に行動できるように、あまり深い説明は極力避けるようにする。
・さまざまな話題を提供するため、さまざまな教科の先生や地域の人々、行政、大学、企業などから講師を招く。
・生徒から提出された課題をまとめ、グルーピングが上手くいくように配慮する。
・各グループの進行状況を把握しておく。

 



・地域に出て行くので、調査するマナーやインタビューのマナーなどをしっかりと生徒に理解させる。
・地域の人々や企業などの理解や協力を得られるように配慮する。

 

 

 

 

・課題解決の小ステップで足踏み状態のグループにはどのようなステップを立てればよいかをアドバイスし、課題解決が進行していくように配慮する。



・体験学習(模擬店など)のために必要となる知識を身につけさせる。
・経済と環境の両テーマに関する内容をあつかう。(値段の決まり方やエコクッキングなどについて)
・エコクッキングなどの指導のために家庭科の先生に協力してもらう。

 
 
・各グループでの課題と違い、全体での課題であることを生徒に認識させる。
・事前にこの体験学習の目的を生徒に理解させておく。
・授業時間以外にも学園祭準備の時間が放課後などに必要となる場合もある。
・学園祭でおこなうことが難しいならば、校内で環境発表会などを開催し、体験学習をおこなう場を確保する。

 



・コンピュータを使うことが予想されるため、情報の先生などに協力してもらう。
・プレゼンテーションの方法をいくつか挙げ、それぞれの方法を写真やVTRで提示していく。
・各プレゼンテーションの仕方を説明する。このとき、どのような点がよいのか、また悪いのかを生徒に考えさせる。
・各グループを回りながら、どのようなプレゼンをおこなおうとしているのかを把握しておく。
・プレゼンテーションされた内容についてコメントを入れ、次へ(次の学年の総合的な学習や生涯学習など)つながる学習にすることに注意する。
・内容などの間違いなどがあった場合は指摘し修正させる。
・それぞれの参加態度やまとめの冊子の完成度などを参考にしながら評価をしていく。


7.評価の観点
観点@ 関心・意欲・・・話題提供されたテーマや自分が決めたテーマに関心をもち取り組んでいるか
観点A 技能・処理・・・資料やデータを分析する力や調べてきたことをまとめる力がついているか
観点B 参加・・・・・・・・・積極的に自分たちのグループの活動や体験学習に参加しているか
観点C ものの見方・考え方・・・正しいものの見方や考え方が養われているか

評価の方法は、各時間や調査ごとに自己評価表を配布し、生徒が自分でどれだけ参加し、何を考え、どう行動したかを省みたものを参考にする。そのとき自己評価表=各生徒の評価ではなく、教師の目から見てどれだけ成長しているかを考慮した評価が必要である。

総合演習A 環境倫理の教育
(a)環境教育・指導計画の作成
科目等履修生 Y.O.

1.指導者

学部・学科 (科目等履修生)  学籍番号 (      )   氏名(Y.O.)

2.指導の対象とする校種、学年、教科等

校種

中学校

学年

2年

教科等※

総合的な学習の時間

※道徳、特別活動、総合的な学習の時間を含む

3.主題(テーマ)


有機農業を通じた環境教育
 

4.主題の設定理由

1学期である4月から7月にかけて、有機農業を体験することにより、日常口にしている野菜について考えることができると考えられる。つまり、その野菜が食卓に並ぶまでどれだけの時間と人力がかかっているのか、また、それを育てるのにどのような工夫が必要なのかを学ぶ。さらに、野菜を育てる際に、自然との触れ合いを重視することにより、普段触れることの少ない自然を五感を通じて感じ、生態系について学んだり、生物を観察する機会をつくることができるであろう。

5.目標(ねらい)

自分で有機農業で野菜を育てるということよりも、自然の中の色々な仕組み、観察された生物に関して、学ぶことを第一の目標とする。また、第二の目標として、野菜をうまく育てるために、自分で考え、工夫することを学ぶ。第三には、自分の野菜を育てるために、他の人との協力が必要である。つまり、助け合い、友達からのよい刺激といった人間関係を学ぶことも目標とする。


6.指導内容の展開   時間数( 10時間 )
  ※指導内容に体験的要素を入れること

指導内容

学習活動

指導上の留意点

オリエンテーション
(導入)
(1時間)

 

 

何の野菜を植えるか
(1時間)

 

 
野菜の種を植える
(1時間)

 

 

 
今までを振り返る
(1時間)

 

 

 

 
成長をまとめる
(3時間)

 

 

発表の準備

(1時間)

 

 

 発表
(2時間)

  

これから行なう有機農業について学ぶ。その際に、有機農業の意味と、なぜその有機農業を行なうのか、ということを現代の農薬の問題に関わらせて学ぶ。

 

一学期間を通して、何の野菜を植えるかを決める。トマト、キュウリ、ナス、ピーマンなどから決める。他の野菜でもよい。決めるとその野菜について、本、インターネットなどを使って調べる。

 

実際に野菜の種を植えることを体験学習する。その時に、自分で調べてきたやり方で行なう。植えたあと、水遣りをして、保管場所を考える。

 

 
 オリエンテーションから種を植えたことまでを振り返ってグループで話し合う。その際、有機農業をすることの意味合いをもう一度復習する。また、どのような理由で育てる野菜を決めたのかも発表する。

 
 

 種を植えてから一日一日ごとに記録をとる。その結果を一週間ごとにまとめていく。特に大きく変化したことを記録する。記録の方法・記録をとるものは自分で考え、記録していく。また、収穫された作物は、自分で工夫して、食べるなりする。伝統的なやり方で保存する方法も学ぶ。

 

野菜の成長の変化とその中で観察できたこと、自然の中で発見したこと、驚いたことを発表する準備をする。各自、自分で発表形態を考え準備する。

 

この体験学習を通じて学んだことを発表していく。ポイントは、野菜を育ててみてどうだったか。成長を見ていくうえで何か気づいたことはあるか。これからの生活にどのように影響するかというようなことを発表する。また、他の生徒が発表に関して、質問をする。

食の安全や、生態系の問題を考える際、なるべく簡単に生徒に伝わるようにする。ビデオ、本などを使って説明する。

 


野菜といっても種類が多いので、何種類かを紹介して、育て方の例なども説明する。本などの資料を用意して、生徒の関心を引くようにする。

 

 

調べてきているのに、体験するときにはできない生徒がいるので、注意して見る。また、ばらばらにならずに、グループに分かれて作業をさせるようにする。

 

初めに、有機農業の意味合いを簡単に復習する。その際、ヒントとなるようなことを言うだけにする。グループに分かれた後、回りながら、コメントをつけたり、ヒントを言ったりして、話し合いがうまくいくように心がける。

 
 

記録の仕方は、例だけを与えて、自由に生徒に考えさせる。また、毎日記録がとれるように、また何か質問がある場合があるので、放課後しばらく教室に残るよにする。

 


5分程度で発表の手本をする。その際、分かりやすいように工夫する。準備中は、歩きまわってコメントなどをしたりする。

 


生徒が何を思ってこの体験学習を行なったかを見る。また、そこから得たもの、生徒の成長に関しても見る。


7.評価の観点
主に発表から評価するが、日ごろの学習活動も考慮に入れる。野菜を育てるにあたって、どのようなことを工夫したか、そして体験学習を通しての生徒の成長を主に評価の対象とする。どれだけ真剣に取り組んだかということも評価に入れる。また、体験学習をする前とした後では、どのように考え方が変わったかということも対象とする。

(d)環境教育・指導計画の作成
科目等履修生 Y.T.

1.指導者

学部・学科 (科目等利修正)   学籍番号 (      )   氏名 (Y.T.)

 2.指導の対象とする校種、学年、教科等

校種

高校

学年

1年生

教科等※

総合的な学習の時間

※道徳、特別活動、総合的な学習の時間を含む

3.主題(テーマ)

モラル・ディレンマ授業をつうじて環境倫理の理解

4.主題の設定理由

環境倫理について、言葉で説明しても一応は理解できるが、実質は理解できていない場合が多い。そこで、環境教育の実践におけるディレンマ状況を題材に、ディレンマ資料を作成し、コールバーグのモラル・ディレンマ授業を行なうことで、環境倫理に関する理解が深まると考えられる。

倫理・道徳的ディレンマ状態で思考することによって、生命倫理や土地倫理の問題に関する理解が深まると考えられるため、この主題を設定した。

5.目標(ねらい)

コールバーグのモラル・ディレンマ授業における討論を通じて、環境観や環境倫理についての理解を深めさせる。

生徒たちをディレンマ状態に導くことで、生徒たちは自分で考え判断しなければならない状況になる。そして討論を繰り返すことで、自分の考えだけでなく、他人の考えも判断材料とし、自分なりの答えを見出すことになる。その行為によって、思考力だけでなく判断力も養われると考えられる。

また、他人の意見を聞くという行為によって、相手の考えに共感し、相手の立場に立って物事を考えることが出来るようになると考えられる。

モラル・ディレンマ授業を通じて、思考力・判断力・共感力などの育成を目標とする。


6.指導内容の展開   時間数( 2時間 )
  ※指導内容に体験的要素を入れること

指導内容

学習活動

指導上の留意点

(1日目)

○ジレンマ資料を読ませる。

 

○内容を要約させ、要点を押さえさせる。

 

 

○「すべき」か「すべきでない」のどちらかを選択させ、その理由をプリントに書かせる。

 

 

○「すべき」か「すべきでない」に分かれさせ、討論させる。

 

 


○討論後、本時の討論について振り返らせて書かせる。

 

 

○ジレンマ資料を読む。

 

 
○内容を要約し、要点をまとめる。

 

 

 
○「すべき」か「すべきでない」のどちらかを選択し、その理由をプリントに書く。

 

 


○「すべき」か「すべきでない」に分かれ、席を移動する。

○意見を出し合い、討論する。

 

 

○討論の発言や意見について振り返り、もう一度自分の意見をまとめる。

 

 

○静かに黙読させる。

 

 
○プリントに要点をまとめさせる。その後、発表させ、黒板に板所する。

 

 

○10分程時間を与え、プリントに記入させる。

 

 

 

○机を対面にし、席を移動する。

○両方の意見をそれぞれ主張させ、要点をまとめて板書する。その後、相手側の意見を踏まえた上で、自分たちの意見を主張させる。

 

○本時の討論を振り返って、もう一度自分の考えをまとめさせ、プリントに書かせて提出させる。

 

(2日目)

○資料の内容を思い出させる。


○自分の考えを思い出させる。

 

○前回書いた逆の立場に立たせて意見を書かせる。

  

○前回と同じく「すべき」と「すべきでない」とに分かれさせ、討論させる。

 

 

 ○討論後、本時の討論について振り返らせて書かせる。

 

 ○前回と今回の討論を踏まえて、自分は「すべき」か「すべきでない」かのどちらに立つかを選択させ、その理由をプリントに書かせる。

 

○資料の内容を思い出す。

 

○前回書いた自分の意見について思い出す。

 

○前回と反対の立場に立って考え、意見をまとめ、プリントに記入する。

 


○前回と同様、対面に分かれて討論する。

 

 

 
○討論の発言や意見について振り返り、もう一度自分の意見をまとめる。

 

 ○前回と今回の討論をふまえて、最終的にどちらの立場に立つか選び、その理由をプリントに記入する。

 

○資料の内容について、要点を絞りながら(要約しながら)説明する。


○生徒たちに前回書いたプリントを返却し、自分の考えを思い出させる。 


○前回書いた立場と反対の立場に立たせ、考えさせ意見をまとめさせる。

 

○前回と同じく、各自の意見を主張させ、その後相手側の意見を踏まえて主張させる。その時、生徒が発言し易いような雰囲気づくりを心がける。

 

○本時の討論を振り返って、もう一度自分の考えをまとめさせ、プリントに書かせて提出させる。

 

○前回書いたプリントと今回書いたプリントを読み比べ、さらに討論の内容について振り返らせ、最終的にどちらの立場に立つか考えさせ、その理由を書かせる。

○授業は一つの答えを出して終わるのではなく、多様な答えがありその中で自分なりの答え出させる。(オープンエンドで終わる。)


7.評価の観点
観点@:関心・・・・・・・興味・関心を持って資料を読んでいるか。…etc
観点A:意欲・・・・・・・意欲的に集中して読んで考えているか。…etc
観点B:態度・・・・・・・相手の発言などに耳を傾けることができているか。…etc
観点C:評価能力・・・相手の意見・考えを尊重し、共感したり批判したりできているか。…etc
観点D:参加・・・・・・・討論に意欲的に参加できているか。…etc