第5回国際保健医療行動科学会議
報   告
        
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               1 メインテーマ 健康と環境をめぐる教育 −統合医療と環境教育―
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               3 会   場   タイ・バンコク プラナコーン=ラジャバト大学/Phranakhon Grand View ホテル会議室
               4 使用言語   英  語
               5 主   催   日本保健医療行動科学会/「地球環境と世界市民」国際協会
               6 実施主体   第5回国際保健医療行動科学会実行委員会
               7 共   催   プラナコーン=ラジャバト大学(タイ)

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第5回国際保健医療行動科学会議を終えて(報告)

 2006年8月17日〜20日に、第5回国際保健医療行動科学会議が開催され、「健康と環境をめぐる教育−統合医療と環境教育−」(於:タイ・バンコク/プラナコーン=ラジャバト大学)をテーマとし、記念講演、基調講演、シンポジウム、サテライト・シンポジウム、ワークショップ、研究発表、ポスター発表、エクスカージョンが実施されました。本会儀では、日本、タイ、マレーシア、ネパール、カナダより先駆的な研究者、教育者、実践家、NGO/NPO等の市民活動家、行政担当者が参席し、自然・社会・人文科学の統合的な「知」の観点から議論が展開されました。

 第一日目(17日)は、日本から51名の参加者があったエクスカージョンでは、ビハーラ Wat Pra Baht Nampoo (HIV感染による終末期患者のための仏教系医療施設)を訪問しました。タイにおけるHIVとその対応についての概要や、ターミナルケアによる“癒し”の問題などについて、講演を聴くとともに、施設内を見学しました。スピリチュアルな領域である魂や宗教の問題、また日本とタイにおける文化差などについて一同深く考えさせられる視察となりました。その後、アユタヤ遺跡を見学し、チャオプラヤ川の船上にてタイのディナーを楽しみました。

 第二日目(18日)は、記念講演「新しいパラダイムとしての統合医療−未来のヘルスケア・システムに向けて−」(渥美和彦氏/東京大学名誉教授)、「健康であるために−カナダ・ファーストネーションの伝統医療・健康とウェル・ビーイング−」(Nancy TURNER氏/カナダ・ヴィクトリア大学教授)が行なわれました。午後から研究発表、口頭発表・保健医療セッション11演題、環境教育セッション12演題あり、熱心な討議がなされました。また会議全日を通して、会場フロアでポスター発表が実施され、保健医療セッション7演題、環境教育セッション3演題が展示されました。またプラナコーン大学あげてのウェルカム・パーティでは、タイの伝統舞踊ショウと伝統食が出され、参加者全員が大いに感激する中、国際的な文化交流を楽しみました。

 第三日目(19日)は、基調講演「統合保健医療における依存と自律−行動変容のためのスキーマ−」(宗像恒次氏/大会長・筑波大学教授)、「統合医療と総合的な環境教育に関する倫理教育の展望」(谷口)が行なわれた後、シンポジウム「健康と環境をめぐる教育−統合医療と総合的な環境教育の視点から−」が催され、各ゲストスピーカーより統合医療とヘルスケアシステム、生命倫理、学校教育における危機介入、人材育成、伝統・文化、生物多様性、知的財産権などをキーワードとし、それぞれの研究の立場から具体的な教育のアプローチが示され、有意義な議論が交わされました。またサテライト・シンポジウムTでは「行動変容についての実践的研究」「環境教育教材の共有化をめざして」をテーマにし、専門的な立場から実践に即した議論が交わされました。

 第四日目(20日)は、サテライト・シンポジウムU「当事者参加のヘルスプロモーション」「e−ラーニングによるタイ・日本との環境教育の情報交流」が行なわれ、具体的な教育の方法論についての討議が行なわれました。ワークショップの「民間療法とタイ・マッサージ」「ネイチャートレイルの開発のための環境教育活動」では、タイにおけるオリジナリティーを活かしたテーマが取り上げられました。またフェアウェルパーティでは49名の参会があり、和やかにしめくくられ幕を閉じました。

 全日を通して412名にのぼる人々が参加し、盛況裡に終えることができました。日本からご参加いただきました会員の皆様、また実行委員の先生方の御協力に深く御礼申し上げます。また献身的に会場の準備など運営に携わってくださいました、プラナコーン=ラジャバト大学学長及び環境教育センターの先生方、スタッフの皆様、とくに現地にて種々のセッティングを心配りいただきました実行委員の仲座良造氏には心より感謝申し上げます。

第5回国際保健医療行動科学会議
大会実行委員長 谷口文章

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