2000年度広野環境教育実践農園 活動報告

谷口研究室環境教育農作業チーム

<農作業>

 甲南大学の敷地に広野ゴルフ場横山林があります。そこは、戦時中、旧制甲南高校生が芋を作ったり、地元の人が炭焼きをしていたが、その後50年間まったく手入れされることがなかった土地でした。研究室では、山林の一部を農園にし、山林と農園を共に利用して里山活動を展開しようと考え、2000年度に大学所有の山林を開墾して農園を作りました。はじめは、鎌や鋸、鍬を使って手作業で開墾を試みましたが遅々として進まず、自然の力に圧倒されました。結局、開墾の殆どは機械に頼ることになったのですが、石や根っこなどを取り除いて農業のできる土地にするまでにはかなりの労力がかかりました。今年度は、里山活動の第一歩として、農業を体験的に学ぶことに重点がおかれました。

<農園づくり>

 農地をつくるために、初めは鎌や鋸、鍬などで草や木を刈る作業をしました。自然の力を知るには、この体験だけで十分でした。しかし、いくら頑張っても手作業では山林を開墾することはできませんでした。その為、パワーシャベルで山林の表面を削り、その後に残った石や根っこを取り除きました。さらに、平らになった地面を鍬やトラクターで何度も耕し、その度に小石と根っこを拾い、畝を作りました。そして、農具を置く為のストッカーを設置して農具を搬入しました。

<野菜作り>

 2000年度は、講義『環境教育の実践』が広野野外施設で行なわれ、農園では芋の栽培から始めました。農作業がはじめての学生に農業体験をしてもらうには、開墾したての痩せた土地でも成長する芋は栽培がしやすく適しているからです。芋の栽培方法は、近くの農家の方にご指導していただきました。その後、夏から秋にかけては、芋と平行して、ソバや夏野菜(トマト、ピーマン、キュウリ、ナス、ゴウヤなど)も栽培しました。ソバは、今年がはじめてであったので収穫はあまりできませんでしたが、夏野菜はゼミ合宿や収穫祭のときに食べられるほど収穫することができました。冬野菜は、大根、カブ、にんじん、チンゲンサイ、ネギ、ほうれん草を栽培しました。大根、カブ、ニンジンは、残念ながら殆ど成長しませんでした。チンゲンサイは、鳥害にあいました。ネギとほうれん草は、おいしく食べることができました。

<米作り>

 『環境教育の実践』とゼミ活動でもち米をつくりました。広野グランドの管理人である藤原さんに指導していただきながら田ごしらえ、田植え、稲刈り、脱穀を行いました。日本人の主食である米を作る体験は、私たちにとって貴重なものでした。

<収穫祭>

 12月21日、収穫祭を行ないました。自分たちでつくったもち米で餅つきをしました。自分たちで植えて収穫をしたもので食事をすることができる喜びは大きなものでした。