甲南女子通信 第4号 2001年12月25日「環境教育特集号」


▽文部科学省より「研究開発学校」の指定を受けました。期間は平成13年度からの3年間です。「いのち」「こころ」「ともに」
▽全国103件の応募のうち、今年度新たに指定を受けた研究は33件。国立学校が10件、公立学校が21件、私立学校は2件でした。メディアリテラシー、無学年制導入、国際中等教育学校、地域連携型一貫教育など、全国の多様な研究開発の一つとして、環境教育を始めます。

「人と人、人と自然、人と社会との共生」をめざす環境教育を、幼・小・中・高・大の18年の教育活動を通して展開します。

▽今回の研究開発は、3つの学園が協同で取り組みます。
◇甲南学園(甲南大学・甲南中高)
◇甲南小学校・幼稚園
◇甲南女子学園(甲南女子大学・甲南女子中高)
 この3つの学園は、創立の歴史において深い関係があり、地理的にもそれぞれがほぼ3km以内に位置しています。
▽では「研究開発学校」とはいったい何でしょうか。資料からぬき出してみます。

「この制度は、学校における教育実践の中から提起されている教育上の課題や、急激な社会の変化・発展に伴って生じた学校教育に対する多様な要請に対応するため、研究開発を行おうとする学校を『研究開発学校』として指定するもので、その学校には、学習指導要領等現行の教育課程の基準によらない教育課程の編成実施を認め、その実践研究を通して新しい教育課程、指導方法を開発していこうとする制度です。」(文部科学省「研究開発学校の手引」より)

▽私たちが設定した課題は次のとおりです。
「人と人、人と自、然、人と社会との共生」をめざす環境教育を、幼・小・中・高・大の教育活動を通して展開する研究開発

環境教育って理科の勉強?
▽「環境教育」や「環境学習」と聞くと、私たちはつい、自然保護やゴミ間題のことだけを思い浮かべがちです。リサイクル問題、酸性雨、地球温暖化など、理科や社会、家庭科の学習をイメージする人も多いでしょう。確かに自然保護もゴミ間題を考えることもたいへん重要なことで、活動の中心にもなります。しかし今回の研究開発で考えたい「環境」とはそれだけではありません。

@自ら学び自ら考える主体的学習を重視し、二十一世紀にたくましく生きる力を育成すること。
A「いのち」「こころ」「ともに」をキーワードに人間としてのあり方・生き方を身につけること。

 この2つを大きなねらいとして、さまざまな活動体験を重ねていきます。体験によって感性をみがくこと、日々の学習や問題解決学習によって真の知識・学力を身につけること、「気づく」目を持ち環境に配慮した暮らしを実践できる行動力を養うことをめざしまず。単独の教科・科目にとどまらない、視野の広い教育活動を展開します。また、世界に通用するコミュニケーション能力や情報リテラシー(情報を使いこなす知識や能力)など、子どもたちが「生きる力」を自ら体得できる教育の実現をめざします。

いつ、何をやるの?
▽活動はすでにスタートしています。保護者の方々や地域の方々にもご協力をお願いしています。子供たちのために協同で活動を展開していきます。

 


広野施設の活用 〜稲刈り(10月7日) 〜もちつき(12月22日)

▽10月7日には、甲南大学の広野施設でおこなわれた稲刈りに、本校科学部と新聞部の生徒8名が参加しました。感想文を紹介します。

▽今回私は新聞部の取材として、科学部と一緒にフィールドワークに参加しました。新聞部は部員が4人で、その内2人が科学部なので、何をするのか聞くと「稲刈り」と言っていたので、楽しみでした。
 当日、甲南大学で、まず「ビオトープ」と甲南大学が行っているゴミ処理についてお話を聞きました。私達の学校でもゴミ処理が問題化しているので大変興味深かったです。次に甲南大学内にあるビオトープを見せていただきました。ビオトープとは池に水を入れて、自然の力でその地形の自然な姿を復元していくので、最初は何もない池にだんだん生物が増えていくのはおもしろそうだと思いました。
 この後、広野グランドにつき、グランド内を散策しました。グランド内は思っていたよりも広く、蛙がいっぱいいる池や、ビオトープがありました。広野グランドのビオトープは、浮き草とメダカ、ゲンゴロウがいました。メダカは浮き草を入れた時についていた卵からかえったそうで、そのメダカも二種類いて、一種は外来種だそうです。
 午後から稲刈りを行いました。最初は、まちがってカマが自分の靴にささってしまってヒヤッとしたこともありましたが、慣れると、ザクザク切れておもしろかったです。田んぼにはたくさん虫がいました。刈った稲を干すところまでやったあと、次は畑へ行き、芋掘りなどをしました。芋掘りは久し振りだったので、楽しかったです。そして甲南中・高の生物部の方と一緒に、アカネズミのワナをしかけに行きました。どの辺にしかけて良いのか、とまどいました。その後、アカネズミを見ました。かわいかったけど、ネズミはおびえていました。
 今回、フィールドワークに参加してよかったと思います。とても良い思い出となりました。谷口先生、甲南大学の学生さん、甲南中・高の先生方や生物部の方には、とても親切にしていただき、ありがとうございました。とても楽しかったです。

 

▽12月22日(土)には同じく甲南大学広野施設にて、もちつきが行われました。
 10月7日に収穫したお米でのもちつきです。自分たち、あるいは自分の仲間たちが刈り入れたお米でのもちつきというのは貴重な体験となったことでしょう。