担 当 ：谷口 文章
配当年次：3年次／単位：2単位
講義日時：前期 金曜日 3時限
■講義の内容・目的
哲学は現実にアクションできる思考を訓練するものである。その意味で，イギリス・アメリカの経験論を系譜とした哲学思想史をテーマ別に追っていく。
■講義構成
１．Ｄ．ヒュームの「is-ought パッセージ」論
２．Ａ．スミスの「理想的観察者 ideal observer 」論
３．ベンサムとミルの功利主義とカントの義務論
①ベンサムの量的功利主義 ②ミルの質的功利主義 ③カントの義務論
４．プラグマティズムの系譜
①パースの問題解決方法 ②ジェイムズの純粋経験 ③デューイの経験主義的教育論 ④ローティの会話論
|
| 環境学基礎論Ⅰ・Ⅱ |
担 当 ：谷口 文章
配当年次：2年次／単位：２単位
講義日時：通年 火曜日 １時限
■講義の内容・目的
人間の環境は，身体と行動を介して自然環境，社会環境，精神環境が成立すると考えられる。それらの環境は，人間とは無関係に成立しているのではなく，人間と相互作用することで自己形成される。
「自然環境」では，人間が適度に関与することで生態系が維持されている。例えば，森林の保全や農耕によって自然環境は健全なものとなる。「社会環境」では，経済活動など人間の関与が大きい。そしてその社会現象も，自己組織的にシステムが出来上がる。例えば，商品の価格も市場において自己組織的に決定される。
「心の環境」では，いうまでもなく人間自身の問題であり，それは“心のあり方”が中心となる。例えば，親子関係において，神経質の親は神経質な子どもを育てることになり，その子の心は母親のそのような性格を内化して自己形成されることになる。
このように，主体と客体が“複雑に”相互作用することによって自己形成される「人間の多様な環境」を環境学の観点から考察していく。そのために，本年度はギブソンの生態学的心理学とオートポイエーシス理論の内部観測の考え方を発展させる。環境学基礎論Ⅰでは，講義構成の（１）と（２）を検討し，環境学基礎論Ⅱでは，講義構成の（３）と（４）を検討する。
■講義構成
（１）心の形成と治癒としてのビオトープづくりと箱庭療法
（２）自然・社会・精神環境の自己生成とその展開―自己組織的システム論
（３）生態学的心理学による環境認知論―アフォーダンス論
（４）オートポイエーシス理論―内部観測をめぐって
|
| 国際環境教育ネットワーク |
担 当 ：谷口 文章，マノジュ・Ｌ・シュレスタ，西 欣也（ニシ キンヤ），浅野能昭
配当年次：３・４年次 単位：２単位／講義日時：前期 土曜日 １・２時限 隔週
■講義の内容・目的
地球環境問題の解決のためには，「グローバルに考え，ローカルに活動する」ことが重要である。そのため，本講義においては，グローバルな視野から海外の環境情報や環境教育の現状について知るために，テレビ会議システムを利用し，ラジャバト＝プラナコーン大学（タイ），北京大学（中国），マラヤ大学（マレーシア），環境省，国土交通省等と甲南大学を結び，リアルタイムのe－Learning（遠隔授業）を行う。それぞれの大学や機関はゲストとして，メッセージや情報を送ってもらう予定である。海外との講義は英語で行われるが，本学の学生は日本語でのコミュニケーションでもよい。なお，本講義は教職科目，学芸員科目にも充当できる。
■講義構成
第01回 オリエンテーション：「本講義が目指すネットワーク」（谷口）
第02回 環境省からのメッセージと国際環境政策（谷口，環境省きんき環境館）
第03回 北海道国立公園における環境保全政策（浅野）
第04回 タイにおける地球温暖化活動（谷口，チナタ・ナガシンハ：プラナコーン大学）
第05回 ネパールにおける地球温暖化防止活動（シュレスタ）
第06回 タイの農業と環境（谷口，シリワット・スンダロトック：プラナコーン大学）
第07回 自然観の比較文化論（西）
第08回 国営あいな里山公園―「あいな里山」創造活動（谷口，西，国土交通省）
第09回 中国の環境教育の政策と北京大学の環境教育（谷口，白郁華：北京大学）
第10回 タイ・中国・日本の環境教育ネットワーク(谷口，チナタ・ナガシンハ：プラナコーン大学)
第11回 マレーシアの環境教育と環境倫理（谷口，アジザン・バハルディン：マラヤ大学）
第12回 マレーシア・日本の環境教育ネットワーク（谷口，バハルディン）
第13回 まとめ―地球環境問題の解決に向けて（谷口）
第14回 ＴＶ会議システムによるラウンドテーブル・ディスカッション（谷口，白，スンダロトック，ナガシンハ）
第15回 予備日
|
| 国内環境教育ネットワーク |
担 当 ：谷口 文章，斧谷 彌守一，本多大輔，出口 晶子，今井 佐金吾，浅野能昭，高阪 薫
配当年次：３・４年次 単位：２単位／講義日時：後期 土曜日 １・２時限 隔週
■講義の内容・目的
地球環境問題の解決のためには，「グローバルに考え，ローカルに活動する」ことが重要である。本講義においては，日本においてのローカルな活動を主として学ぶ。そのために，テレビ会議システムを使用し，宮城教育大学，広島修道大学，環境省，環境省・北海道地方事務所，国土交通省，林野庁，大阪府等と甲南大学のネットワークを結び，リアルタイムでのe‐Learning（遠隔授業）を行い，各大学や研究・行政機関で行なわれている環境教育について学ぶ。それぞれがゲストとしてメッセージや情報を送ってもらう予定である。なお，本講義は教職科目，学芸員科目にも充当できる。
■講義構成
第01回 オリエンテーション：「本講義が目指すネットワーク」（谷口）
第02回 環境省からのメッセージと国内環境政策（谷口，環境省きんき環境館）
第03回 日本における林野政策と森林環境教育（谷口，林野庁）
第04回 北海道の国立公園（谷口，環境省・北海道地方事務所）
第05回 地方環境行政における環境政策（谷口，大阪府）
第06回 国営あいな里山公園（「あいな里山」復元活動）（谷口，国土交通省）
第07回 大気汚染・ダイオキシン・環境ホルモン問題（谷口，今井：広島修道大）
第08回 広島修道大学における環境教育の取組（谷口，今井：広島修道大）
第09回 炭素循環と地球環境（本多）
第10回 宮城教育大学における環境教育のアーカイヴ化の展開（谷口，宮教大）
第11回 環境・芸術文化論（斧谷）
第12回 沖縄の環境にみる伝統文化（高阪）
第13回 琵琶湖の環境民俗学（出口）
第14回 まとめ（谷口）
第15回 予備日
|
| 環境・芸術文化論 |
担 当 ：谷口 文章，川田都樹子，戸田 耿介
配当年次：2年次 単位：2単位 講義日時：後期 水曜日 2時限
■講義の内容・目的
「環境」というと環境問題を想いおこすが，本来，環境は生命をとりまく空間であり，すべての生命が快適に生きていく身の周りの空間のことである。したがってこの講義では，環境問題を中心とするのではなく，快適な環境の創造，またそれを精神的に支える芸術文化論の視座から，環境・芸術文化論を展開したく考えている。
■講義構成
第１部．環境教育と環境創造
01．オリエンテーション（谷口）
02．環境教育から見た環境創造（谷口）
03.日本・タイ・中国・マレーシア・カナダの国立（国営）公園における自然環境（谷口）
04.森林療法と擬似自然としての箱庭に８おける「癒し」（谷口）
第２部．環境創造の事例と方法
05．都市環境と緑地・里山（戸田）
06．都市ビオトープ―環境創造Ⅰ―（戸田）
07．学校ビオトープ―環境創造Ⅱ―（戸田）
08.博物館と環境創造（戸田）
第３部．現代芸術からのメッセージ
９．「環境芸術」における「環境」とは？（川田）
10．「環境芸術」のはじまり（川田）
11．「ミニマル・アート」から「環境」へ（川田）
12．自然環境と「アース・ワーク」（川田）
13．都市環境と「パブリック・アート」（川田）
14．まとめ 21世紀の環境創造と芸術文化論（谷口）
|
2007年度シラバス