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ICHBS2010実行委員会事務局

〒658-8501
神戸市東灘区岡本8−9−1
甲南大学文学部
谷口研究室気付
Tel/Fax 078-435-2368




ICHBS2010マレーシア現地事務局


Centre for Civilisational Dialogue
University of Malaya
2nd Floor, Siswarama Building
University of Malaya
50603 Kuala Lumpur
Tel:603-79675697
Fax:603-79675692















      第6回国際保健医療行動科学会議 Sustainable Health Promotion:
   Dialogue on Well-being and Human Security in Environmental Healthを終えて
                大会長 谷口文章


≪学際的対話≫
 9月19日〜24日にマレーシア・マラヤ大学(クアラルンプール)にて、第6回国際会議を開催致しました。ラマダン(断食月)明けのハリ・ラヤ・プアサの祝祭期間と重なっており、マレーシアからの参加者が少ないことが懸念されましたが、休日にもかかわらず、多くの研究者、学生、臨床実践家が参席し、盛大のうちに行なわれました。マレーシアは、マレー系・中国系・インド系、多数の先住民族からなる多民族国家です。それぞれの民族の宗教、信仰、文化が共生しながら、民族性や伝統文化が融合しています。そのような活気溢れる雰囲気のなか、"Sustainable Health Promotion: Dialogue on Well-being and Human Security in Environmental Health" について、学際的な対話が繰り広げられました。

≪参加者・発表数について≫
 日本、マレーシア、インド、インドネシア、英国、オーストラリア、ソロモン諸島、タイ、中国、ドイツ、ニュージーランド、ブラジルなど多数の国々からご参加いただきました。参加者は日本から65名、マレーシア側・当日参加・ゲストスピーカー65名、懇親会59名でした。3日間のべ参加者数は358名でした。3日目に行なわれましたMorning Seminar & Educational Visitでは、セミナーのあとHIV/AIDS患者の子どもたちが暮らす Shelter Home (Rumah Solehah) を訪れました。44名の方々が施設を訪れ、取組内容についてのお話を聴くとともに、子どもたちとの交流を楽しみました。
 本会議中の発表件数については、口頭発表28件、ポスター発表42件でした。国際色、また学際性豊かなテーマが出揃い、非常に魅力的なセッション構成となりました。ヘルスプロモーション、ヘルスケア、ナラティヴ、ヒューマン・セキュリティ、サステイナビリティ、スピリチュアル・ヒーリング、伝統医学、CAM、グローバルヘルス、HIV/AIDS・マラリヤ・デング熱などの感染症への公衆衛生や社会的サポートなどについて幅広い分野から熱心な対話が交わされました。またポスター展示の会場でもサロン的な雰囲気のなか、発表者と参加者の間で情報交換や議論が深められました。


≪テーマSustainable Health Promotionと企画について≫
 ヘルスプロモーションでは、健康の前提条件として、平和、住居、教育、食糧、収入、安定したエコシステム(生態系)、持続可能な資源、社会的正義と公正性があげられます。21世紀の環境と生命をめぐる問題群と対置させてみると、グローバリゼーションを背景にした社会的・経済的格差の問題が浮かびあがってきます。各地域やコミュニティを活かしながら「健康を支援するための環境づくり」をどのように行なっていくか。私たちの身近にあるローカルな問題と地球規模で生じているグローバルな問題が、“グローカル”にどのようにつながるのか、について再確認が必要となっています。
 2日間にわたる本会議やセッション、モーニング・セミナー・研修ツアーを通じて、ヘルスプロモーション、サステイナビリティ、ウェルビーイング、ヒューマン・セキュリティについて対話が重ねられました。またダイアログ・セッションでは、「宗教的催眠療法」「ユナニ医学」「ナラティヴ・アプローチ」のテーマがとりあげられ、理論と実践の融合化がはかられました。会議の3日目は、午前中にマレーシア・日本におけるHIV感染予防・治療・ケアに関するセミナーが行なわれ、その後Rumah Solehahを訪れました。


≪現地調査研修ツアーについて≫
 現地調査研修ツアーは、今回はじめて企画した催しでした。ジョホール州エンダウ・ロンピン国立公園を訪れ、その地域に居住するJakun People のライフスタイル、伝統文化、民間療法、宗教儀礼に関するワークショップに参加(参加者数28名)しました。またツアー中にはトレッキング、ナイトクルーズなどのフィールド・アクティビティを交えながら、自然の豊かさ、生物多様性を実感しながら、Jakun People のライフスタイルを経験することができました。

≪最後に≫
 本会議を通じて、各専門領域の研究者や臨床実践家の方々から、本会のような国際アカデミーを創設したいとの強い要望がありました。国際的なパートナーシップの拡がりに向けて、また日本保健医療行動科学会がどのように世界に情報発信し、研究交流を深めていけるのかも含め、今後さらなる国際的な活動が期待されています。
 本大会の開催までに実行委員の先生方をはじめとする多くの方々にサポートいただきました。この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。先駆的な研究や実践をご披露いただきました先生方、また連日朝早くからご来場いただきディスカッションに加わっていただきました参加者の皆様のおかげをもちまして、成功裡のうちに本会を終えることができました。
 マラヤ大学Centre for Civilisational Dialogue 所長 Prof. Dr. Datin Azizan Baharuddin 先生、昼夜問わず献身的にサポートしてくださったCCDスタッフの方々には、会議の準備運営・進行に亘り、大変お世話になりました。最後に京都大学GCOEプログラム「アジア・メガシティの人間安全保障工学拠点」からファウンドをいただき、会務を円滑に遂行できましたことを、心より感謝申し上げます。


(日本保健医療行動科学会ニュースレター HEALTH BEHAVIORAL SCIENCE 第73号, 2010.11.15発行 所収)
         

新 着 情 報

マラヤ大学Centre for Civilisational Dialogue フォトギャラリーに会議の模様が掲載されました.
ICHBS2010プロシーディング“Proceedings of 6th International Conference of Health Behavioral Science: Sustainable Health Promotion"を掲載致しました.|2011.11.05
第6回国際保健医療行動科学会議を終えて(ご挨拶)(HEALTH BEHAVIORAL SCIENCE ニュースレター第73号より)|2010.11.15
ファイナルアナウンスメントのご案内 |2010.9.3
会場がマラヤ大学法学部講堂に変更になりました.また詳細のご案内につきましては,参加者の皆様にファイナルアナウンスメント(8月中発送予定)にてお知らせ致します.|2010.7.9
ICHBS2010 フライヤー・ポスターを掲載致しました.参加登録(一次登録)・発表申込エントリーを7月31日(土)まで延長しております.ふるって,ご応募下さいませ.|2010.7.22
ICHBS2010第3回アナウンスメントを掲載致しました|2010.4.24
ICHBS2010発表申込エントリーおよび参加登録を開始しております|2010.4.24