2011年度 講義シラバス
専門科目
演習T・U・V 担  当 :谷口 文章
配当年次:3・4年次/単位:4単位
講義日時:通年 金曜日 4限
★講義の内容・目的
人間・環境学を中心とした本演習では、一方で人間と環境についての新しい理論を研究しつつ、他方で臨床的・フィールド的な身体知を培っていく。このような理論の探求では、人間をめぐる環境倫理と生命倫理を研究することになる。
 まず、パーソナリティと心の形成のメカニズムを明らかにする。次に、人間が地球環境の破壊をもたらした原因を追求し、環境倫理学の構築をめざす。さらに、環境の主体である生命の概念と深くかかわる医療環境や脳死・臓器移植そして癒しの諸問題を、生命倫理学の立場からとりあげる。
 さらに、オフキャンパス・アクティヴィティ(甲南大学環境教育野外施設のフィールド活動や国営明石海峡公園「あいな里山公園の創造」[国土交通省]のような環境活動)を通じて、人生の諸問題を解決する能力である「知恵」をみがく。さらに、例えば自然環境において身体行為を伴った環境教育をおこなうことによって,心に病いをもつ現代人を健全なものにする試みも実施する。
 本演習では、今年度とくに、生命倫理と環境倫理を架橋とする「ケアの倫理」について研究する。
教職科目
総合演習@
環境教育の研究
担  当 :谷口 文章,橋口 誠
配当年次:4年次 単位:2単位/講義日時:後期 土曜日 3・4時限 隔週

★講義の内容・目的
環境教育は教室の知識だけでなく、フィールドにおいて知識を獲得するスキルも学ぶ必要がある。教室では見出せない子どもの個性が野外で現れる。また、環境教育を通じた活動によって「心豊かな人間性」と「問題解決能力」を培うことができる。これらをディスカッション形式による演習の中でどのようにカリキュラムを作成しフィールド活動のトレーニング技術を身につけたらよいかを学ぶ。評価としては、受講者にモデル・プログラムの作成を課し、プレゼンテーションを行なう。
★講義構成
第01回 オリエンテーション:(あいな里山国営公園)【橋口】
第02回 環境教育に関する教材@:里山保全活動(あいな里山国営公園)【谷口】
第03回 環境教育の意義と役割(環境教育野外施設)【橋口】
第04回 環境教育に関する教材A:作物と土に親しむ<稲刈り>(環境教育野外施設)【谷口】
第05回 学校における環境教育の推進, 環境教育の指導を通して身についた能力と態度(環境教育野外施設)【橋口】
第06回 環境教育に関する教材B<脱穀>(環境教育野外施設)【谷口】
第07回 学習指導要領に見られる環境教育に関わる内容の取り扱い(本校舎)【橋口】
第08回 各教科における環境教育の指導(本校舎)【谷口】
第09回 環境教育に関する教材・教具, 指導に関する実践事例T<夏野菜・米の世話>(本校舎)【橋口】
第10回 環境教育に関する教材・教具, 指導に関する実践事例U<プログラムの作成の基礎>(本校舎)【谷口】
第11回 環境保全の意欲増進と環境教育推進法(本校舎)【橋口】
第12回 シンポジウム「パートナーシップによる環境教育の展開(環境省)」(本校舎)【橋口】
第13回 収穫祭(餅つき大会・エコクッキング)<フィールドワークの実践>(環境教育野外施設)【橋口】
第14回 収穫祭(餅つき大会・エコクッキング)<フィールドワークの意味づけ>(環境教育野外施設)【谷口】
第15回 総合的な学習として行なう環境教育のカリキュラムづくり(本校舎)【橋口】
第16回 環境教育指導計画案(プレゼンテーションとレポートで評価)(本校舎)【谷口】】
総合演習A
環境倫理の教育
担  当 :谷口 文章,橋口 誠
配当年次:4年次 単位:2単位 /講義日時:後期 土曜日 3・4時限 隔週

★講義の内容・目的
異文化理解も含めた環境倫理は、「人間環境宣言」(ストックホルム宣言)の中でも強調されているように、地球環境問題の解決のためのガイドラインの倫理的裏づけとなる。その理論的枠組みを研究するとともに、その研究内容をフィールドワークを通じて検証する。また、その学習体験を理論へとフィードバックする。このような理論―実践のグループ演習によって、環境モラルと「生きる力」をどの程度身につけたかを自己評価できるように指導する。 
★講義構成
第01回 オリエンテーション(あいな里山国営公園)【谷口】
第02回 環境教育に関する教材@:里山保全活動(あいな里山国営公園)【橋口】
第03回 学校教育における環境倫理とは何か(環境教育野外施設)【谷口】
第04回 環境教育に関する教材A:作物と土に親しむ<稲刈り>(環境教育野外施設)【橋口】
第05回 環境倫理にもとづいた環境教育(環境教育野外施設)【谷口】
第06回 環境教育に関する教材B:<脱穀>(環境教育野外施設)【橋口】
第07回 学習指導要領に見られる環境倫理に関わる内容の取り扱い(本校舎)【谷口】
第08回 センス・オブ・ワンダーの覚醒を目指して(本校舎)【橋口】
第09回 環境モラルと環境教育T<生命の尊重>(本校舎)【谷口】
第10回 環境モラルと環境教育U<環境マナー>(本校舎)【橋口】
第11回 環境保全の意欲増進と環境教育推進法<環境省>(本校舎)【谷口】
第12回 シンポジウム「パートナーシップによる環境教育の展開(環境省)」(本校舎)【谷口】
第13回 収穫祭(餅つき大会、エコクッキング)<フィールドワークの実践>(環境教育野外施設)【谷口】
第14回 収穫祭(餅つき大会、エコクッキング)<フィールドワークの意味づけ>(環境教育野外施設)【橋口】
第15回 総合的な学習として行なう環境倫理のカリキュラムづくり(本校舎)【谷口】
第16回 環境教育指導計画案(プレゼンテーションとレポートで評価)【橋口】
広域副専攻科目
環境教育の実践T 担  当 :谷口 文章,太田 雅久,西 欣也,今井 佐金吾,浅野 能昭,中野 友博,大久保 規子,小島 夏彦,中井達郎,高阪 薫
配当年次:1・2年次 単位:2単位  講義日時:前期 土曜日 3・4時限 隔週

★講義の内容・目的
環境教育のベースは自然環境にある。この授業では、教室での講義による環境についての知識を学んだ上で、それを実際に身体を使って体験するため、甲南大学環境教育野外施設(広野グランド)でのフィールド活動を行う。虫や植物の観察・地理調査、また自分たちで植えた野菜や米を世話することによって生命に触れながら、環境問題解決のための能力を身につける。なお、本講義では高大連携の科目でもあるので、フィールドでは教育実習的効果もねらっている。
(実習費:要、雨天決行<各自で雨具の用意をしてきてください。>) 
※この講義は隔週で開講するので、講義日に注意すること。
★講義構成
(第01回)オリエンテーション:「環境教育実践T」が目指すもの(本校舎)【谷口】
(第02回)キャンパス環境と規律(本校舎)【阪】
(第03回)キャンプ入門(環境教育野外施設)【中野・谷口】
(第04回)夏野菜の苗付(環境教育野外施設)【谷口・中野】
(第05回)地球環境とエネルギー危機(本校舎)【太田】
(第06回)エネルギー消費の実習(本校舎)【太田】
(第07回)日本の環境法(本校舎)【谷口・浅野・大久保】
(第08回)日本の環境行政と政策(本校舎)【浅野・大久保・谷口】
(第09回)田植え/ビオトープ(環境教育野外施設)【谷口・西】
(第10回)田植え/ビオトープ(環境教育野外施設)【谷口・西】
(第11回)地球環境と有害化学物質(本校舎)【今井】
(第12回)保全生物学と生物多様性(本校舎)【小島】
(第13回)自然観察の方法と夏野菜の収穫と手入れ(環境教育野外施設)【谷口・中井】
(第14回)自然観察の方法と夏野菜の収穫と手入れ(環境教育野外施設)【谷口・中井】
(第15回)予備日 
修士課程
人間科学演習 担  当 :谷口 文章
単  位 :8単位     講義日時:2010年度前期(金曜5限)〜2011年度後期(金5限)

★講義の内容・目的
人間・環境学を中心とした本演習では、一方で人間と環境についての新しい理論を研究しつつ、他方で臨床的・フィールド的な身体的知恵を培っていく。このような理論の探求では、人間をめぐる環境倫理と生命倫理の研究が必要となる。
そこでまず、パーソナリティと心の形成のメカニズムを明らかにする。次に、人間が地球環境の破壊をもたらした原因を追求し、環境倫理学の構築をめざす。さらに、環境の主体である生命の概念と深くかかわる医療環境や脳死・臓器移植そして癒しの諸問題を、生命倫理学の立場からとりあげる。
また、フィールドのアクティヴィティ(甲南大学環境教育野外施設のフィールド活動や国営明石海峡公園「あいな里山公園の創造」[国土交通省]のような環境活動など)を通じて、人生の諸問題を解決する能力である「知恵」をみがく。さらに、例えば自然環境において身体行為を伴った環境教育をおこなうことによって,心に病いをもつ現代人を健全なものにする試みも実施する。。
★講義構成
【1】環境に関する古典の文献研究
【2】フィールドワーク体験の研究
【3】修士論文指導
生命倫理研究 担 当:谷口文章
単 位:2単位     講義日時:木曜2限

★講義の内容・目的
精神と身体の相関論を、生命倫理研究の立場から考察する。第一に、哲学の立場から、デカルトの心身二元論の思想の流れと、現代に対する影響を述べる。第二に、精神・心理的立場から、心身相関論と東洋医学の思想について論じる。ここでは具体的に、催眠療法や箱庭療法の事例を検討する。第三に、健康とすこやかさについて、宗教的次元も含めて考察する。 

★講義構成
第01回 序論
第02回 心身論の思想的歴史
第03回 デカルトの心身二元論
第04回 心身相関論
第05回 心理学的視点からの心身相関論
第06回 東洋医学的視点からの心身相関論
第07回 ヘルス・プロモーション
第08回 健康の定義と「すこやかさ」
第09回 宗教における魂の問題をめぐって
第10回 臨死体験をめぐって−死後の魂についての示唆−
第11回 宗教における魂の救い
第12回 ターミナル・ケア
第13回 医療倫理
第14回 生命倫理
第15回 まとめ 
フィールドワーク特論Ta 担  当 :谷口 文章
単  位 :2単位      講義日時:前期 土曜1・2限

★講義の内容・目的
地球温暖化などにみられるように今日地球環境問題は、深刻化している。その解決方法の一つとして、環境問題を見る眼を養うためには、フィールドワークに基づく調査がベースとなる。森林や里山景観の変化を観察することによって、山−川−海−森の生態系の連関を知ることができる。また教室の中で培った「知識 knowledge 」は、フィールドにおいて「知恵 wisdome 」へと転化させる必要がある。
これらのことを目指して、国営明石海峡公園(国土交通省)「あいな里山公園」において、里山の現状と生態系、また伝統文化の保存について調査する。 
★講義方法
@隔週土曜2限連続の調査を、あいな里山公園にて実施する
Aフィールド調査
Bグループ・ディスカッション
Cプレゼンテーション
★講義構成
○次のテーマを中心に、フィールド調査を実施
【1】生物多様性と稀少種の問題
【2】地域再生の問題と文化保存をめぐる問題
【3】公園にどのように環境教育を導入するかの検討
・グループ・ディスカッションなどを通じて、最後の講義では、調査の成果を各自発表する
フィールドワーク特論Tb 担  当 :谷口 文章
単  位 :2単位      講義日時:集中講義

★講義の内容・目的
地球温暖化などにみられるように今日地球環境問題は、深刻化している。その解決方法の一つとして、地球環境問題を見る眼を養うためには、フィールドワークに基づく調査がベースとなる。本講義では海外の環境調査を集中講義で行なう。隔年ごとにタイ・プラナコーン=ラジャバト大学、マレーシア・マラヤ大学、カナダ・ヴィクトリア大学、中国・北京大学のいずれか一大学を訪問する予定である。海外にでない隔年は甲南大学を拠点に、北京大学などの学生を受け容れ、日本国内の環境関連施設や地域へのフィールド調査を実施する。本年度は、甲南大学に海外の大学の大学院生と本学の学生がともに国営明石海峡公園「あいな里山公園」の里山再生活動に参加する予定である。
★講義方法
【1】10日間の集中講義を実施する。初日と最終日は本学で講義。残りはフィールド調査。
【2】調査場所:あいな里山公園(神戸市北区),淡路島モンキーセンター(淡路島・洲本市)
【3】日本とアジア・エリアにおける環境教育の比較検討
★講義構成
○次のテーマを中心に、フィールド調査を実施
【1】国際的な生物多様性と稀少種の問題
【2】グローバルな視点とローカルな活動
【3】各国にどのような環境教育の共通のガイドラインを導入するかの検討
○グループ・ディスカッションなどを通じて,最後の講義では調査の成果を各自発表する.
フィールドワーク特論U 担  当 :谷口 文章
単  位 :2単位      講義日時:後期 土曜1・2限

★講義の内容・目的
フィールドワーク特論Ta・Tbの成果を基礎として、森林文化を学ぶ。京都府内の里地里山を中心に調査する。また単なる調査にとどまることなく、地域とのパートナーシップを構築するためのコーディネーター、ファシリテーター、プランナーとしての環境教育スキルを学ぶ。
★講義方法
【1】フィールド調査と講義によって構成
【2】地域の行政、NPO、他大学の学生とのパートナーシップの構築などをめざす
【3】里山レンジャーとして環境教育プログラムの実施をサポートする
★講義構成
○次のテーマを中心に,フィールド調査を実施し,その調査記録をまとめる.
・森林の多面的機能についての理解
・地域再生と文化保存をめぐる問題
・環境教育の可能性
・サスティナビリティ
○毎回のグループディスカッションを通じて,最終回では各自がプレゼンテーションを行なう.
博士後期課程
人間科学研究演習T・U・V 担  当 :谷口 文章
単  位 :4単位 講義日時:集中講義

★講義の内容・目的

人間・環境学を中心とした本演習では、一方で人間と環境についての新しい理論を研究しつつ、他方で臨床的・フィールド的な身体知(人生問題の解決能力である知恵)を培っていく。このような理論の探求では、人間をめぐる環境倫理と生命倫理を研究することになる。
 まず、パーソナリティと心の形成のメカニズムを明らかにする。次に、人間が地球環境の破壊をもたらした原因を追求し、環境倫理学の構築をめざす。さらに、環境の主体である生命の概念と深くかかわる医療環境や脳死・臓器移植そして癒しの諸問題を、生命倫理学の立場からとりあげる。
 このように、人間と環境を形成する理論は、生命(いのち)のケアによる臨床知やフィールド体験による身体知から獲得されることを忘れてはならないであろう。その意味で甲南大学環境教育野外施設のフィールド活動や国営明石海峡公園「あいな里山公園の創造」のような環境活動など)を通じて、人生の諸問題を解決する能力である「知恵」をみがく。さらに、例えば自然環境において身体行為を伴った環境教育をおこなうことによって,心に病いをもつ現代人を健全なものにする試みも実施する。
 さらに、本校と姉妹校である中国・北京大学環境科学工学院、マレーシア・マラヤ大学CCDセンター、さらにタイ・プラナコン大学環境教育センターと人間および環境に関して国際的な研究・人脈交流をはかる。
★到達目標
文献を精読し、人間・環境学の現代的諸問題を取り上げて考察する。また、各自の研究テーマに応じて、論文指導を行なう。 
★講義構成
1.人間・環境学に関する文献研究
2.フィールドワークによる実践研究
3.論文指導
環境・芸術・思想特殊研究V 担  当 :谷口 文章
単  位 :2単位 講義日時:後期 火曜日 3時限

★講義の内容・目的
現代思想の大きな領域を占める「環境思想」について考察する。そのために、環境学と環境教育学の原理論を検討する。まず、環境学についての研究は、英語ではEnvironmental Studies といわれるように複数の学問領域にわたることが示唆される。もし単数ならEnvironmental Science という環境科学となろう。それに対して「環境学」は,複数の領域の学を統合する原理論ということになる。したがって、地球環境問題は環境学の総合的視点から検討されねばならない。
 次に、環境教育は、内面的に心豊かな子どもを育てるとともに、外面的に循環型社会を実現する実行力のある子どもを育てることを目的とする。そこで「環境教育学」は、心の環境を健全なものにする理論的枠組みを与えるとともに、実践的な問題解決能力を培う環境教育の哲学ということになる。
 こうした二つの領域をめぐる環境思想および環境教育思想を考察する予定である。
★到達目標
人間・環境学に関するさまざまなテキストを取り上げ、文献研究を行なう。またテーマに応じて、プレゼンテーション・ディスカッションを行なう。 
★講義構成
1.環境学の確立に向けて
2.環境教育の哲学のために
3.国際環境ネットワークの構築
2007年度シラバス  
2008年度シラバス
2009年度シラバス
2010年度シラバス